「電話」の敬語(尊敬語・丁寧語・謙譲語)は?ビジネスメールでの使い方と例文も!言い換え表現も解説!
ビジネスの場では、電話に関する表現を使う機会が多くあります。
取引先へ連絡したことを伝えるメール、上司に電話をお願いする場面、顧客からの電話を取り次ぐ場面など、相手や立場によって自然な敬語は変わります。
「お電話される」「電話を差し上げる」といった表現は便利に見える一方で、敬語の種類を混同すると不自然な印象になることもあります。
この記事では、電話の尊敬語・丁寧語・謙譲語の基本から、ビジネスメールでそのまま使える例文、状況別の言い換えまで詳しく解説します。
電話の敬語一覧と場面別の言い換え表現

それではまず、電話に関する敬語の結論と、相手別に使いやすい言い換え表現について解説していきます。
電話の敬語における基本分類
電話そのものを丁寧に表現するときは、「お電話」がもっとも基本的な言い方です。
尊敬語は相手の行為を高める表現であり、「お電話になる」「お電話をくださる」などが該当します。
謙譲語は自分や自社の行為をへりくだって伝える表現で、「お電話いたします」「お電話差し上げます」が代表例です。
丁寧語は話全体を丁寧に整える役割を持ち、「電話です」「電話しました」のように使います。
ただし、社外の相手に対しては「電話しました」だけでは少し簡潔すぎることがあります。
連絡の目的や相手との関係を考え、「お電話いたしました」「先ほどお電話を差し上げました」と表現すると、より配慮が伝わるでしょう。
| 分類 | 主な表現 | 使う相手 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 尊敬語 | お電話になる | 上司、取引先、顧客 | 部長は午後にお電話になります。 |
| 尊敬語 | お電話をくださる | 取引先、顧客 | お忙しいところお電話をくださいまして、ありがとうございます。 |
| 謙譲語 | お電話いたします | 取引先、顧客、目上の人 | 改めて担当者よりお電話いたします。 |
| 謙譲語 | お電話を差し上げます | 取引先、顧客 | 明日の午前中にお電話を差し上げます。 |
| 丁寧語 | お電話します | 社内、比較的近い相手 | 確認後にお電話します。 |
| 丁寧語 | 電話がありました | 社内連絡 | 先ほど佐藤様から電話がありました。 |
相手から電話を受けた場合の言い換え
相手から電話をもらったことを伝える場合は、「お電話をいただく」が広く使われます。
「いただく」は謙譲語なので、相手の行為に敬意を示しつつ、自分が受ける立場であることを丁寧に表せます。
たとえば、取引先に対するお礼メールでは「先ほどはお電話をいただき、誠にありがとうございました」と書くと自然です。
より改まった印象にしたい場合は、「ご多用のところお電話を賜り、御礼申し上げます」とする方法もあります。
ただし、「賜る」は格式が高い表現です。
日常的な業務メールで多用すると距離感が強くなるため、重要な依頼や正式な挨拶に絞るとよいでしょう。
取引先へのお礼メール例文
先ほどはご多用のところ、お電話をいただきありがとうございました。
ご案内いただいた内容を確認のうえ、必要な資料を本日中にお送りいたします。
自分から電話をかける場合の言い換え
自分から連絡する場合は、「お電話いたします」がもっとも無難で、幅広い場面に対応できます。
「電話します」でも意味は通じますが、取引先や顧客へのメールでは少し直接的に響く場合があります。
日程を明確にするなら、「本日十五時頃にお電話いたします」「担当者より折り返しお電話いたします」のように書くと親切です。
「お電話を差し上げます」も正しい表現ですが、相手によっては恩着せがましく聞こえることがあります。
特にクレーム対応や確認依頼では、「お電話いたします」のほうがやわらかく、落ち着いた印象になります。
電話をかける予定を伝えるときは、「いつ」「誰が」「どの件で」連絡するのかを簡潔に示すことが重要です。
敬語だけを整えても、連絡予定が曖昧では相手に手間をかけてしまいます。
電話に関する尊敬語と謙譲語の使い分け
続いては、尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いを確認していきます。
相手の行為に使う尊敬語
尊敬語は、電話をかける、電話を受ける、電話で話すといった相手側の行為に使います。
「部長がお電話になります」「田中様からお電話をいただいております」のように、誰の動作なのかを意識することが大切です。
「お電話になる」は、相手が電話をかける場合にも、電話をする場合にも使えます。
一方で、相手から電話を受けたことへの感謝には「お電話をくださる」が適しています。
「先日はお電話になり、ありがとうございました」では意味が不自然になるため注意が必要です。
感謝を伝える文では、「先日はお電話をくださいまして、ありがとうございました」と書くと、相手の厚意が伝わりやすくなります。
自分の行為に使う謙譲語
謙譲語は、自分、自社、または自社の担当者が電話をする際に用います。
基本表現は「お電話いたします」であり、相手に連絡する意思を丁寧に示せます。
「ご連絡いたします」と言い換えることも多く、電話以外の連絡方法に変更される可能性がある場合にも便利です。
ただし、電話で連絡することが決まっているなら、「ご連絡いたします」よりも「お電話いたします」と書いたほうが、相手は予定を立てやすくなります。
折り返しを約束する際は、「確認のうえ、担当より折り返しお電話いたします」が自然です。
社内の後輩について外部へ伝える場合も、自社側の人物として謙譲表現を選ぶのが基本になります。
丁寧語で整える社内外の会話
丁寧語は、「です」「ます」を使って言葉を整える表現です。
社内であれば「後ほど電話します」「先方から電話がありました」でも、業務上の会話として問題ないことが多いでしょう。
一方、役員や他部署の責任者に伝える場面では、「後ほどお電話します」「先方よりお電話がありました」とすると印象がよくなります。
敬語は長くすればよいわけではありません。
相手との距離、場面の正式さ、伝達の緊急性を考え、必要な丁寧さを選ぶことが実践的な使い方です。
使い分けの目安
取引先へ電話する場合は「お電話いたします」
取引先から電話を受けた場合は「お電話をいただきました」
取引先が電話する場合は「お電話になります」または「お電話をくださいます」
ビジネスメールで使う電話の敬語例文
続いては、ビジネスメールで使いやすい電話の敬語表現を確認していきます。
電話をかけた後に送るメール
電話がつながらなかった後や、留守番電話を残した後には、メールで連絡内容を補足すると行き違いを防げます。
この場合は「先ほどお電話を差し上げましたが、ご不在のようでしたのでメールにて失礼いたします」と書くと自然です。
「電話しましたが出なかったため」とすると、相手を責めているように受け取られることがあります。
相手の状況を断定せず、「ご不在のようでしたので」とやわらかく伝える配慮が大切です。
電話した目的も続けて明記し、相手がメールだけで内容を確認できるようにしましょう。
不在時に送るメール例文
先ほどお電話を差し上げましたが、ご不在のようでしたのでメールにてご連絡いたします。
お見積書の修正版が完成いたしましたので、添付ファイルにてお送りいたします。
ご確認いただけますと幸いです。
電話を依頼するメール
相手に電話をお願いしたいときは、都合を確認する姿勢が重要です。
「お電話ください」だけでは命令に近く聞こえるため、「お電話をいただくことは可能でしょうか」と表現すると丁寧です。
急ぎの用件であっても、「恐れ入りますが、本日中にお電話をいただけますでしょうか」とクッション言葉を添えると印象がやわらぎます。
また、相手の負担を減らすため、希望する時間帯や必要な所要時間も示すとよいでしょう。
「五分ほどで終了する内容です」と補足すれば、相手も折り返しの予定を調整しやすくなります。
| 目的 | 基本表現 | やわらかい表現 |
|---|---|---|
| 電話を依頼する | お電話ください | お電話をいただくことは可能でしょうか。 |
| 折り返しをお願いする | 折り返し電話してください | お手すきの際に折り返しお電話をいただけますと幸いです。 |
| 日時を指定する | 電話をお願いします | 差し支えなければ、明日午後にお電話をいただけますでしょうか。 |
| 緊急の確認を求める | 至急電話してください | 恐れ入りますが、お急ぎでご確認のためお電話をいただけますでしょうか。 |
電話のお礼を伝えるメール
電話後のお礼メールは、話した内容の確認にも役立ちます。
冒頭では「本日はお電話のお時間をいただき、ありがとうございました」と書くと、電話を受けた相手にも電話をかけた相手にも使えます。
相手から電話をもらったことを明確にしたい場合は、「このたびはお電話をいただき、誠にありがとうございました」が適切です。
その後に、合意した事項や次の対応を箇条書きではなく文章で整理すると、認識違いを減らせます。
電話の内容は口頭だけで終わらせず、メールで記録を残すことが、ビジネス上の信頼につながります。
電話後のメールでは、お礼、確認事項、次の行動を順番に入れると読みやすくなります。
長い電話だった場合でも、重要な決定事項だけを端的に残すことがポイントです。
電話対応で使う敬語と会話の基本表現
続いては、電話対応の会話で役立つ敬語を確認していきます。
電話を受けるときの第一声
会社にかかってきた電話では、社名と名前を名乗ることが基本です。
「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇の山田でございます」と伝えると、相手は正しい窓口につながったことを確認できます。
相手が名乗った後は、「いつもお世話になっております」と挨拶を続けます。
初めての相手や問い合わせの相手であれば、「お電話ありがとうございます」だけでも十分に丁寧です。
聞き取りにくい場合は、聞き返すことをためらわないようにしましょう。
「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」と言えば、失礼になりません。
不在者への電話を取り次ぐ表現
担当者が席を外しているときは、「ただいま〇〇は席を外しております」と伝えます。
社外の相手に対し、自社の上司へ「様」を付ける必要はありません。
「田中様は外出しております」は、自社の田中を高めてしまうため避けたほうがよい表現です。
戻る予定が分かる場合は、「十六時頃に戻る予定でございます」と案内します。
予定が不明な場合は、「戻り次第、本人からお電話を差し上げるよう申し伝えます」と伝えるとスムーズです。
伝言を預かるときは、相手の名前、連絡先、用件、折り返しの要否を復唱することが基本になります。
電話を終えるときの挨拶
電話を終える際は、「本日はお電話いただき、ありがとうございました」「それでは失礼いたします」と締めます。
自分から電話をかけた場合には、「お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございました」と感謝を添えると好印象です。
相手が先に電話を切るのを待つことが一般的ですが、取引先や顧客との関係、通話の状況によっては柔軟な対応も必要でしょう。
急いで切る印象にならないよう、挨拶を終えてから少し間を置くと自然です。
対面と違い、電話では表情が伝わりません。
声の高さ、話す速度、言葉の区切りにも意識を向けることが、丁寧な電話対応につながります。
電話の敬語で注意したい誤用と改善表現
続いては、電話の敬語で起こりやすい誤用を確認していきます。
お電話されるの不自然さ
「お電話される」は、一見すると丁寧な尊敬語に見えます。
しかし、「お電話する」の「お」と「される」が重なり、二重敬語のように感じられることがあります。
厳密には許容される場面もありますが、ビジネスメールでは「お電話になる」または「お電話をくださる」を選ぶほうが分かりやすいでしょう。
たとえば、「部長がお電話されます」ではなく、「部長がお電話になります」と書くのが自然です。
相手から連絡があることを表すなら、「〇〇様からお電話をいただく予定です」と自分側の受ける行為として表現する方法もあります。
ご電話という表現の扱い
「ご電話」は誤りではありませんが、日常のビジネス会話では「お電話」のほうが一般的です。
「ご電話ありがとうございます」も使われますが、「お電話ありがとうございます」「お電話をいただきありがとうございます」のほうがなじみやすいでしょう。
電話は和語として扱われることが多く、接頭語には「お」が選ばれやすい傾向があります。
社内で決まった文面がある場合を除き、「お電話」へ統一すると文章全体に安定感が出ます。
表現を統一しておけば、複数人で顧客対応を行う際にも、メールの品質をそろえやすくなります。
差し上げるを使う際の配慮
「お電話を差し上げます」は正しい謙譲語ですが、使う場面には配慮が必要です。
相手が電話を望んでいない可能性がある場合、こちらが一方的に行動を与えるような印象になることがあります。
予約の確認、謝罪、緊急連絡などでは、「お電話いたします」のほうが中立的です。
一方、相手から電話連絡を希望された場合には、「承知いたしました。後ほどお電話を差し上げます」と使っても問題ありません。
敬語の正誤だけではなく、相手が受け取る負担感まで考えることが、実務での重要なポイントです。
電話の敬語では、過剰な表現よりも、主語と行為者が分かる自然な表現を優先しましょう。
相手の行為には尊敬語、自分側の行為には謙譲語という基本を守るだけで、多くの誤用を防げます。
電話の敬語を使いこなすための確認ポイント
続いては、電話の敬語を使いこなすための確認ポイントを見ていきます。
誰が電話をするのかを先に考える習慣
敬語を選ぶ前に、電話をするのが相手なのか、自分なのか、自社の担当者なのかを確認しましょう。
相手が電話するなら「お電話になる」「お電話をくださる」、自分側が電話するなら「お電話いたします」が基本です。
この順番で考えれば、文章が長くなっても敬語の方向を取り違えにくくなります。
特にメールでは、主語を省略しすぎると行為者が不明確になります。
必要に応じて「弊社担当より」「私から」「〇〇様より」と補い、読み手が迷わない文に整えましょう。
相手の都合を尊重する伝え方
電話は相手の時間を直接使う連絡手段です。
そのため、電話をお願いする際やかける予定を伝える際には、都合を確認する姿勢が欠かせません。
「差し支えなければ」「ご都合のよい時間帯をお知らせください」「お手すきの際に」といった表現を添えると、やわらかい印象になります。
急ぎの事情がある場合も、理由を簡潔に示すと相手は優先度を判断しやすくなります。
丁寧な電話表現とは、敬語を重ねることではなく、相手の予定を尊重することともいえるでしょう。
メールと電話を組み合わせる連絡方法
複雑な内容は電話で説明し、決定事項はメールで残すという使い分けが有効です。
電話だけでは記録が残りにくく、メールだけでは細かなニュアンスが伝わりにくい場合があります。
電話の前には「詳細をご説明したく、お電話の機会をいただけますでしょうか」とメールで相談する方法もあります。
電話後には「本日お電話でご説明したとおり」と書き、確認事項を整理しましょう。
この流れを習慣にすると、認識のずれを防ぎながら、相手にも誠実な対応を示せます。
まとめ
電話の敬語では、相手の行為には「お電話になる」「お電話をくださる」などの尊敬語を使います。
自分や自社が電話する場合は、「お電話いたします」「お電話を差し上げます」といった謙譲語を選ぶのが基本です。
迷ったときは、「お電話いたします」を軸にすると、多くのビジネスメールで自然に使えます。
相手からの電話には「お電話をいただき、ありがとうございました」、不在時には「先ほどお電話を差し上げましたが、ご不在のようでしたので」といった表現が便利です。
また、電話の敬語は正しい語句を選ぶだけでなく、相手の都合を気遣い、連絡内容を分かりやすく伝えることが大切です。
電話とメールを適切に使い分けながら、信頼されるビジネスコミュニケーションにつなげていきましょう。