商談の日程調整や会議の設定では、相手に都合の良い時間を尋ねる場面が多くあります。
「都合の良い時間を教えてください」は意図が伝わる表現ですが、相手との関係性や依頼の強さによっては、より丁寧な言い方に整えたほうが安心でしょう。
特に取引先、上司、初めて連絡する相手には、相手の予定を尊重する姿勢が伝わる敬語を選ぶことが大切です。
この記事では、「都合の良い時間を教えてください」の敬語表現、使い分け、ビジネスメールの例文、自然な言い換えを詳しく解説します。
都合の良い時間を教えてくださいの言い換え一覧表

それではまず、都合の良い時間を尋ねる表現について解説していきます。
結論として、目上の相手には「ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますでしょうか」のように、都合を「ご都合」とし、依頼をやわらかくする表現が適しています。
基本表現と敬語の種類
「都合の良い時間を教えてください」は、日常会話では問題なく使える依頼表現です。
ただし、ビジネスメールでは「良い」を「よろしい」に、「教えてください」を「お知らせください」や「ご教示ください」に置き換えると、文章全体が落ち着いた印象になります。
| 表現 | 敬語の種類 | 印象 | 主な相手 |
|---|---|---|---|
| 都合の良い時間を教えてください | 丁寧語 | 簡潔で親しみやすい | 同僚、社内の関係者 |
| ご都合のよろしい時間を教えてください | 尊敬語を含む丁寧表現 | 標準的で丁寧 | 社内外の相手 |
| ご都合のよろしい時間をお知らせください | 尊敬語を含む丁寧表現 | 事務的で自然 | 取引先、顧客 |
| ご都合のよろしい日時をご教示ください | 謙譲表現を含む依頼 | やや硬め | 目上の相手、専門職 |
| ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますでしょうか | 尊敬語と丁寧語 | 非常にやわらかい | 初回連絡、重要顧客 |
| ご都合のつく日時をお伺いしてもよろしいでしょうか | 謙譲語を用いた表現 | 配慮が伝わる | 上司、取引先 |
「お伺いする」は自分が尋ねる行為をへりくだって表す謙譲語です。
一方で、相手の行為に対して「お伺いください」とする使い方は不自然になりやすいため、注意が必要です。
シーン別の言い換え表現
日程調整では、相手に求める情報が日時なのか、時間帯なのか、候補日への回答なのかによって適切な表現が変わります。
状況に合わない表現を選ぶと、丁寧でも要件が伝わりにくくなるでしょう。
| 利用場面 | おすすめの表現 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 初めて連絡する取引先 | ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますでしょうか | 慎重な印象を与えたい場面 |
| 既存顧客との打ち合わせ | ご都合のつく日時をお知らせください | 定期的な連絡や面談調整 |
| 社内の上司 | お時間を頂戴できる日時をお伺いしてもよろしいでしょうか | 面談や相談を依頼する場面 |
| 同僚や部下 | 都合の良い時間があれば教えてください | 急ぎではない社内連絡 |
| 複数人の会議 | ご参加可能な日時をご回答ください | 出欠や日程を集計する場面 |
| 候補日を提示する場合 | 下記日程のうち、ご都合のよろしい日時をご指定ください | 相手の負担を軽くしたい場面 |
| 電話の可否を尋ねる場合 | お電話可能なお時間帯をお知らせいただけますでしょうか | 電話連絡の調整 |
| 急ぎで確認したい場合 | 恐れ入りますが、本日中にご都合をお知らせいただけますと幸いです | 期限を添える場面 |
「ご都合のつく日時」は、予定の空きがある日時を尋ねる際に便利な表現です。
相手が複数の予定を抱えていることを前提にした言い方であり、一方的な指定を避けたい場面によくなじみます。
依頼の強さによる使い分け
敬語表現は、単に長くすれば丁寧になるわけではありません。
相手に選択の余地を与え、事情に配慮する言葉を添えることで、依頼の印象は大きく変わります。
最も使いやすい基本形は「ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますでしょうか」です。
相手を立てながらも、確認したい内容が明確に伝わるため、社外メールでも幅広く使えます。
「教えてください」は直接的な依頼に聞こえる場合があります。
より控えめにしたいときは、「お知らせいただけますと幸いです」や「ご教示いただけますでしょうか」を選ぶとよいでしょう。
尊敬語・丁寧語・謙譲語の違い
続いては、敬語の種類と表現の組み立て方を確認していきます。
自然なビジネスメールを書くには、誰の行為を高め、誰の行為をへりくだらせるのかを整理することが重要です。
相手の都合を立てる尊敬語
「都合」に接頭語の「ご」を付けた「ご都合」は、相手に関する事柄を丁寧に表す言葉です。
また、「良い」を「よろしい」とすることで、改まった文章にふさわしい語感になります。
「ご都合のよろしい日時」の部分は、相手の予定を尊重する尊敬の気持ちを含んだ表現です。
メールでは「ご都合の良い」も間違いではありませんが、目上の相手には「ご都合のよろしい」のほうが穏やかに受け取られやすいでしょう。
自分の行為に使う謙譲語
「お伺いする」「頂戴する」は、自分が行う行為を低く表す謙譲語です。
たとえば、「ご都合をお伺いしてもよろしいでしょうか」は、自分が都合を尋ねることをへりくだって伝えています。
自然な例文は「ご都合のよろしい日時をお伺いしてもよろしいでしょうか」です。
不自然な例文は「ご都合をお伺いください」です。
「お伺いする」は自分側の動作に使う言葉である点を押さえておきましょう。
「お時間を頂戴できますでしょうか」も、自分が相手から時間をもらう立場を示せる便利な表現です。
面談、相談、打ち合わせの依頼で使うと、相手の時間を貴重なものとして扱う姿勢が伝わります。
丁寧語で整える依頼文
「ください」「ます」「です」は丁寧語にあたります。
「お知らせください」だけでも失礼ではありませんが、依頼の負担を軽く見せたい場合には、「いただけますでしょうか」や「いただけますと幸いです」を加える方法があります。
| 依頼表現 | 丁寧さ | 特徴 |
|---|---|---|
| お知らせください | 標準 | 端的で事務連絡に向く |
| お知らせいただけますか | やや丁寧 | 会話でもメールでも使いやすい |
| お知らせいただけますでしょうか | 丁寧 | 社外向けの依頼に向く |
| お知らせいただけますと幸いです | 丁寧 | やわらかく協力を求められる |
| ご教示賜れますと幸甚です | 非常に硬い | 通常のメールでは大げさになりやすい |
相手との距離が近い場合に過度に硬い表現を重ねると、かえって不自然になることもあります。
相手、用件、普段のやり取りに合わせて、無理のない敬語を選びましょう。
ビジネスメールでの依頼文
続いては、メールで都合の良い時間を尋ねる際の基本構成を確認していきます。
日程調整のメールは短くても、用件、希望、候補、返信期限を分かりやすく示すことが重要です。
件名と書き出しの整え方
件名には「お打ち合わせ日程のご相談」「ご面談日時のご確認」のように、メールの目的を入れます。
本文の書き出しでは、まず挨拶と連絡の目的を簡潔に伝えると、相手がすぐに内容を把握できます。
件名 お打ち合わせ日程のご相談
株式会社〇〇
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。
先日ご相談いたしました件につきまして、詳細をご説明するお時間を頂戴できればと存じます。
冒頭で「何について」「なぜ時間が必要か」を示すと、相手は予定を確認しやすくなります。
長い前置きよりも、日程調整の目的を一読で理解できる文章を意識するとよいでしょう。
候補日を提示するメール例文
候補日時をこちらから出す方法は、相手に考える手間をかけにくい点がメリットです。
ただし、候補が少なすぎると押し付けがましく見えるため、通常は三つ程度を用意すると安心です。
つきましては、下記日時のうち、ご都合のよろしい時間帯はございますでしょうか。
九月十日 午前十時から正午まで
九月十一日 午後一時から午後四時まで
九月十二日 午前九時から午前十一時まで
上記で調整が難しい場合は、別途ご都合のつく日時を二、三候補お知らせいただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
「ご都合のよろしい時間帯はございますでしょうか」と尋ねることで、相手が候補から選びやすくなります。
さらに代替案を受け付ける一文を入れると、相手の選択肢を狭めない配慮にもつながります。
相手に候補を尋ねるメール例文
こちらの予定が未確定の場合や、相手の都合を優先したい場合は、先に候補を尋ねる方法が適しています。
その際は、必要な時間や実施方法も明記すると、相手が回答しやすくなります。
ご挨拶を兼ねて、三十分ほどオンラインでお打ち合わせのお時間をいただければと存じます。
恐れ入りますが、来週以降でご都合のよろしい日時を二、三候補お知らせいただけますでしょうか。
いただいた候補をもとに、当方で調整のうえご連絡いたします。
「二、三候補」と具体的に伝えることで、相手はどの程度の情報を返せばよいか理解できます。
オンライン、訪問、電話などの方法も添えると、返信の往復を減らせるでしょう。
状況別の使い方と例文
続いては、相手や目的に応じた使い方を確認していきます。
同じ日程調整でも、取引先への依頼、上司への相談、顧客への案内では、言葉の選び方が少しずつ異なります。
取引先への丁寧な依頼
取引先には、相手の業務を妨げないように配慮した表現が求められます。
「お忙しいところ恐れ入りますが」を添えるときは、その後の依頼を明確にして、曖昧な文章にならないようにしましょう。
例文としては、「お忙しいところ恐れ入りますが、今後の進行についてご相談したく存じます。ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますでしょうか」が自然です。
初回の連絡では、面談の所要時間と目的も併記することで、誠実な印象を作れます。
上司への相談や面談依頼
上司に相談の時間を求める場合は、「ご都合の良い時間」よりも「お時間を頂戴できる日時」とする言い方がなじみます。
これは、上司の時間をもらうことへの感謝と配慮を表せるためです。
例文としては、「ご相談したい事項がございます。差し支えなければ、今週中に十五分ほどお時間を頂戴できる日時をお伺いしてもよろしいでしょうか」と書けます。
相談内容が急ぎでない場合は、「ご都合のよいタイミングで」と添えてもよいでしょう。
顧客への案内と予約調整
顧客に連絡する場合は、専門用語を重ねず、分かりやすい表現を優先することが大切です。
「ご都合のよろしい日時をお知らせください」は簡潔で、予約確認にも使いやすい表現です。
例文としては、「ご相談のお時間は三十分程度を予定しております。平日十時から十七時の間で、ご都合のよろしい日時をお知らせください」となります。
候補への返信を求めるなら、「以下の日程からお選びください」と明示すると、顧客が迷わず行動できる案内になります。
避けたい表現と注意点
続いては、日程調整で避けたい表現や敬語の注意点を確認していきます。
丁寧に書こうとして不自然な二重敬語や曖昧な依頼になると、かえって意図が伝わりにくくなります。
ご都合はいかがでしょうかの曖昧さ
「ご都合はいかがでしょうか」は便利な表現ですが、何について都合を尋ねているのかが前後の文脈に依存します。
メールでは「ご都合のよろしい日時はいかがでしょうか」ではなく、「ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますでしょうか」と、求める行動まで書くほうが明確です。
特に複数の案件を扱う相手には、日程、会議名、所要時間を省かないことが大切でしょう。
ご都合のつく時間の重複表現
「ご都合のつく時間」は自然な表現です。
一方で、「ご都合のよろしいお時間がつく日時」のように、似た意味の言葉を重ねると読みにくくなります。
| 避けたい表現 | 整えた表現 |
|---|---|
| ご都合の良いお時間がつく日時 | ご都合のつく日時 |
| ご都合のよろしいお時間を教えていただけますでしょうか | ご都合のよろしい時間をお知らせいただけますでしょうか |
| ご都合をお伺いください | ご都合をお知らせください |
| ご都合のよろしい日時をご教示していただけますか | ご都合のよろしい日時をご教示いただけますか |
| いつでも大丈夫ですのでお願いします | ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますと幸いです |
言い回しは一文に詰め込みすぎず、相手が返信時に必要な情報だけを分かりやすく示すことが基本です。
期限と返信方法の伝え方
返信期限がある場合は、相手を急かす印象を抑えながら、具体的な期限を伝えます。
「お手数をおかけしますが、九月八日までにご返信いただけますと幸いです」のように書くと自然です。
期限を示す際は、理由を短く添えると納得感が高まります。
例文として、「会議室の予約の都合上、恐れ入りますが九月八日までにご都合をお知らせいただけますでしょうか」と書けます。
また、メール返信、電話、予約フォームなど、希望する返信方法がある場合は明記しましょう。
相手の負担を減らす工夫が、円滑な日程調整につながります。
メール返信への対応方法
続いては、相手から都合の良い時間を教えてもらった後の対応を確認していきます。
日程調整は、候補を受け取った時点では完了しません。
確定日時、方法、必要な準備を速やかに伝えることで、認識違いを防げます。
候補を受け取った際の返信
相手から候補日時が届いたら、まず返信への感謝を伝えます。
そのうえで、確定できる日時があるなら明確に示しましょう。
例文としては、「ご多忙のところ、ご都合をお知らせいただきありがとうございます。それでは、九月十一日午後二時より、オンラインにてお打ち合わせをお願いいたします」となります。
「承知しました」だけで済ませず、日時を再記載することが重要です。
候補日で調整できない場合
提示された候補で都合がつかない場合は、断るだけで終わらせず、新たな候補を出すようにします。
相手が再び予定を探す負担を減らせるためです。
例文としては、「せっかく候補をお知らせいただいたところ恐縮ですが、いずれの日時も社内会議と重なっております。誠に恐れ入りますが、九月十三日または十四日でご調整いただくことは可能でしょうか」と書けます。
感謝、事情、代替案の順に伝えると、角が立ちにくくなります。
日時確定後の確認事項
日時が決まったら、場所、オンライン会議の接続先、参加者、所要時間などを確認します。
対面なら住所や会議室名、オンラインなら会議URLを記載すると親切です。
例文としては、「当日は三十分程度を予定しております。会議URLは下記のとおりです。開始時刻になりましたらご入室くださいますようお願いいたします」と案内できます。
確認メールを送る際は、日時を数字だけで済ませず、曜日や時間帯も添えることで、見落としを防ぎやすくなります。
まとめ
「都合の良い時間を教えてください」をビジネスメールで丁寧に伝えるなら、「ご都合のよろしい日時をお知らせいただけますでしょうか」が基本となります。
相手の予定を尊重したい場面では、「ご都合のつく日時」「お時間を頂戴できる日時」「お伺いしてもよろしいでしょうか」などを使い分けるとよいでしょう。
日程調整では、面談の目的、所要時間、候補日時、返信期限を分かりやすく示すことが大切です。
相手との関係性に合う敬語を選び、返信しやすい情報を過不足なく添えることで、丁寧でスムーズなビジネスコミュニケーションにつながります。