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素因数分解とは?やり方と公式は?約数の求め方も!(意味・計算方法・筆算・最大公約数・最小公倍数・因数分解との違いなど)

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数学の勉強をしていると、必ず出会うのが「素因数分解」という言葉でしょう。中学生になると本格的に学習する内容ですが、最初は「何のためにやるの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。

素因数分解は、数の性質を理解するための基本的で非常に重要な概念なのです。これをマスターすれば、約数を簡単に見つけられたり、最大公約数や最小公倍数の計算がスムーズになったりと、算数・数学の様々な場面で役立ちます。

この記事では、素因数分解の意味から具体的なやり方、公式、そして約数の求め方まで徹底的に解説していきます。筆算の方法や因数分解との違いについても触れていきますので、初めて学ぶ方も復習したい方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

素因数分解とは何か?基本的な意味と重要性

それではまず、素因数分解とは何かについて解説していきます。

素因数分解の定義と意味

素因数分解とは、ある自然数を素数の積の形で表すことを指します。例えば、12という数は「2×2×3」と表すことができるでしょう。このように、元の数を素数だけの掛け算で表現するのが素因数分解なのです。

ここで大切なのは「素数」という概念ですね。素数とは、1とその数自身以外に約数を持たない自然数のこと。具体的には2、3、5、7、11、13…といった数が素数に該当します。

素因数分解は、数を「これ以上分解できない最小の要素」に分けることで、その数の本質を明らかにする手法です。

なぜ素因数分解が重要なのか

素因数分解を学ぶ意義は何でしょうか。実は、この技術は数学の様々な分野で応用されているのです。

まず、約数を求める際に非常に便利になります。素因数分解ができれば、その数が持つすべての約数を系統的に漏れなく見つけることが可能です。また、最大公約数や最小公倍数を求める計算も、素因数分解を使えば確実かつ効率的に行えるでしょう。

さらに高度な数学では、暗号理論などにも素因数分解の考え方が応用されています。大きな数の素因数分解が困難であることを利用したRSA暗号は、現代のインターネットセキュリティを支える重要な技術なのです。

素因数分解と因数分解の違い

「素因数分解」と「因数分解」は似た言葉ですが、実は異なる概念なので注意が必要です。

因数分解は、主に文字式(代数式)を積の形に変形すること。例えば「x²-5x+6=(x-2)(x-3)」のように表現します。一方、素因数分解は具体的な数値を素数の積で表すことを指すのです。

つまり、因数分解は文字を含む式に対して行い、素因数分解は数に対して行うという違いがあるわけですね。ただし、どちらも「元の形を積の形に分解する」という共通点は持っています。

素因数分解のやり方と具体的な計算方法

続いては、素因数分解の具体的なやり方を確認していきます。

基本的な素因数分解の手順

素因数分解の基本的な手順は、とてもシンプルです。小さい素数から順番に割っていく方法が最も一般的でしょう。

【例題】60を素因数分解してみましょう。

60÷2=30(2で割れる)
30÷2=15(さらに2で割れる)
15÷3=5(次は3で割れる)
5は素数なので終了

したがって、60=2×2×3×5=2²×3×5

このように、割り切れる最小の素数で順に割っていき、商が素数になるまで続けるのが基本的な流れになります。最終的に、すべての因数が素数になったら完成です。

筆算を使った素因数分解の方法

より大きな数を素因数分解する場合、筆算形式で整理すると分かりやすくなります。これは「すだれ算」や「はしご算」とも呼ばれる方法ですね。

【例】180を素因数分解する場合

2 | 180
2 | 90
3 | 45
3 | 15
5

答え:180=2²×3²×5

左側に割る素数を書き、右側に商を書いていく形式です。この方法なら、計算過程が見やすく、途中で間違えにくいというメリットがあるでしょう。学校の授業でもよく使われる標準的な方法です。

素因数分解で使える公式とテクニック

素因数分解自体に「公式」と呼べるものはありませんが、効率的に計算するためのテクニックはいくつか存在します。

まず、偶数なら必ず2で割れると判断できますね。また、各位の数を足した和が3の倍数なら3で割れる、下一桁が0か5なら5で割れる、といった倍数の判定法を活用すると速く計算できるでしょう。

素数 判定方法
2 偶数(下一桁が0,2,4,6,8)
3 各位の数の和が3の倍数
5 下一桁が0または5
11 奇数桁の和と偶数桁の和の差が0または11の倍数

これらの判定法を使えば、大きな数でも効率的に素因数分解を進められます。計算スピードを上げたい方は、ぜひ覚えておいてください。

素因数分解を使った約数の求め方

続いては、素因数分解を利用した約数の求め方を確認していきます。

約数とは何か

約数について、まず確認しておきましょう。約数とは、ある数を割り切ることができる整数のことです。

例えば12の約数は、1、2、3、4、6、12となります。これらはすべて12を割り切ることができる数ですね。小学校の算数でも学習する基本的な概念ですが、素因数分解を使うことで、より系統的に約数を求められるようになるのです。

素因数分解から約数を求める方法

素因数分解が終わったら、そこから約数を求めることができます。この方法は約数の個数も同時に分かるという優れた特徴があるのです。

【例】36の約数を求める

まず素因数分解:36=2²×3²

約数は、2を0個~2個、3を0個~2個使った積になります。
2⁰×3⁰=1
2¹×3⁰=2
2²×3⁰=4
2⁰×3¹=3
2¹×3¹=6
2²×3¹=12
2⁰×3²=9
2¹×3²=18
2²×3²=36

約数:1,2,3,4,6,9,12,18,36

このように、素因数分解の結果から、指数を0から最大値まで組み合わせることで、すべての約数を漏れなく求められるでしょう。

約数の個数を求める公式

さらに便利なのが、約数の個数を求める公式です。これを知っていると、わざわざすべての約数を書き出さなくても個数だけを求められます。

約数の個数の公式:ある数をN=p₁^a×p₂^b×p₃^cと素因数分解したとき、約数の個数は(a+1)×(b+1)×(c+1)個

【例】72=2³×3²の約数の個数は?
(3+1)×(2+1)=4×3=12個

指数に1を足したものを掛け合わせるだけという、非常にシンプルな公式ですね。この公式を使えば、大きな数の約数の個数も簡単に計算できるのです。テストでもよく出題される重要なポイントなので、しっかり覚えておきましょう。

最大公約数と最小公倍数の求め方

続いては、素因数分解を使った最大公約数と最小公倍数の求め方を確認していきます。

最大公約数を素因数分解で求める

最大公約数(GCD: Greatest Common Divisor)とは、2つ以上の数に共通する約数のうち、最も大きいものを指します。

素因数分解を使った求め方は明快です。それぞれの数を素因数分解し、共通する素因数を最小の指数で掛け合わせるだけなのです。

【例】48と60の最大公約数を求める

48=2⁴×3¹
60=2²×3¹×5¹

共通する素因数は2と3。
2は最小で2²、3は最小で3¹
最大公約数=2²×3=4×3=12

共通しない素因数(この例では5)は含めないことがポイントですね。この方法なら、3つ以上の数の最大公約数も確実に求められるでしょう。

最小公倍数を素因数分解で求める

最小公倍数(LCM: Least Common Multiple)は、2つ以上の数の公倍数のうち、最も小さい正の整数のことです。

素因数分解を使う場合、考え方は最大公約数と逆になります。それぞれの素因数を最大の指数で掛け合わせるのです。

【例】48と60の最小公倍数を求める

48=2⁴×3¹
60=2²×3¹×5¹

すべての素因数を最大の指数で採用。
2は最大で2⁴、3は3¹、5は5¹
最小公倍数=2⁴×3×5=16×3×5=240

最小公倍数では、どちらか一方にしか含まれない素因数も必ず含めることを忘れないでください。

最大公約数と最小公倍数の関係

実は、最大公約数と最小公倍数の間には興味深い関係性があります。2つの数をa、bとすると、次の公式が成り立つのです。

a×b=(最大公約数)×(最小公倍数)

【確認】48と60の場合
48×60=2880
最大公約数×最小公倍数=12×240=2880
確かに一致しています!

この関係式を使えば、片方が分かればもう片方を計算で求められるという便利な性質があるのです。計算の検算にも使えるので、覚えておくと役立つでしょう。

素因数分解の練習問題と応用

続いては、実際の練習問題を通して理解を深めていきます。

基本的な素因数分解の練習

まずは基本的な数の素因数分解から練習してみましょう。

【問題1】次の数を素因数分解してください。
(1) 24
(2) 100
(3) 126

【解答】
(1) 24=2³×3
(2) 100=2²×5²
(3) 126=2×3²×7

基本的な数の素因数分解ができれば、より複雑な問題にも対応できるようになります。小さい素数から順に割っていくことを習慣づけるのが上達の近道ですね。

応用問題:約数の個数を求める

素因数分解を利用した応用問題にもチャレンジしてみましょう。

【問題2】360の約数は何個ありますか?

【解答】
まず素因数分解:360=2³×3²×5¹
約数の個数=(3+1)×(2+1)×(1+1)=4×3×2=24個

このように、素因数分解さえできれば、約数の個数も簡単に求められるわけです。大きな数でも、公式を使えば計算は難しくありません。

実生活での素因数分解の活用例

素因数分解は数学の問題だけでなく、実生活でも活用される場面があります。

例えば、長方形のタイルを隙間なく敷き詰める問題。120cm×80cmの部屋に正方形のタイルを敷き詰めるとき、できるだけ大きなタイルを使いたい場合、最大公約数を求めることで最適なタイルのサイズが分かるのです。

また、音楽理論でも素因数分解の考え方が使われています。音の周波数の比率と和音の響きには深い関係があり、これらを理解するには素因数分解の知識が役立つでしょう。

分野 素因数分解の活用例
建築・デザイン タイル配置、パターン設計
情報科学 暗号理論、データ圧縮
音楽 音程の比率計算
時間管理 周期的なイベントの調整

このように、素因数分解は抽象的な数学の概念に見えて、実は様々な場面で応用されているのです。

まとめ

素因数分解は、数を素数の積で表現する基本的で重要な数学の技術です。この記事では、素因数分解の意味から具体的なやり方、筆算を使った計算方法、そして約数の求め方まで幅広く解説してきました。

素因数分解ができるようになれば、約数を系統的に求めたり、最大公約数や最小公倍数を効率的に計算したりできるようになります。また、約数の個数を求める公式など、素因数分解を基にした様々な応用技術も身につくでしょう。

最初は難しく感じるかもしれませんが、小さい素数から順に割っていくという基本を守れば、誰でも確実にマスターできる内容です。練習問題を通して、ぜひ素因数分解を自分のものにしてください。

因数分解との違いにも注意しながら、数の性質を深く理解するツールとして素因数分解を活用していきましょう。この技術は中学数学の基礎であり、高校数学、さらには大学数学へと続く重要な土台となるのです。