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因数定理とは?意味と使い方をわかりやすく解説!(公式・証明・因数の見つけ方・3次式・剰余の定理・組立除法など)

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高校数学で学ぶ「因数定理」は、多項式の因数分解や方程式を解く上で非常に強力な道具となります。しかし、初めて習うときには、その意味や使い方がピンとこない生徒も多いのではないでしょうか。

因数定理とは、多項式P(x)について、P(a)=0となるような数aがあれば、(x-a)がP(x)の因数であるという定理です。この定理を使うことで、複雑な3次式や4次式の因数分解が驚くほど簡単になるのです。

剰余の定理と密接に関係しており、組立除法という計算手法とも組み合わせて使われることが多いでしょう。しかし、公式を丸暗記しただけでは、実際の問題でどう使えばよいのか迷ってしまうこともあります。

この記事では、因数定理の意味と使い方を基礎から丁寧に解説していきます。公式の証明、因数の見つけ方、3次式への応用、剰余の定理との関係、そして組立除法による効率的な計算方法まで、高校生にもわかりやすく説明していきますので、数学が苦手な方も安心して学習できる内容となっています。

因数定理とはP(a)=0ならば(x-a)が因数であるという定理

それではまず因数定理の基本的な内容について解説していきます。

因数定理とは、多項式P(x)においてP(a)=0が成り立つとき、(x-a)はP(x)の因数であるという定理です。逆に、(x-a)がP(x)の因数であれば、P(a)=0が成り立ちます。

この定理の重要なポイントは、因数を見つけるための判定基準を与えてくれることです。因数分解したい多項式に対して、P(a)=0となるようなaの値を見つければ、(x-a)が因数だとわかるのです。

因数定理の本質は、「代入して0になる値を見つければ、因数がわかる」という点にあります。これにより、試行錯誤による因数分解が系統的にできるようになるのです。

【因数定理の公式】

多項式P(x)について

P(a) = 0 ⇔ (x – a) はP(x)の因数

例:P(x) = x² – 5x + 6 のとき

P(2) = 4 – 10 + 6 = 0

よって (x – 2) はP(x)の因数

具体例で考えてみましょう。P(x) = x³ – 3x² – 4x + 12 という3次式があるとします。この式にx=2を代入すると、P(2) = 8 – 12 – 8 + 12 = 0となります。因数定理により、(x-2)はP(x)の因数だとわかるのです。

因数定理は剰余の定理から導かれる定理です。剰余の定理とは、多項式P(x)を(x-a)で割ったときの余りはP(a)に等しいという定理で、この余りが0になる場合が因数定理に対応します。

定理 内容 関係
剰余の定理 P(x)を(x-a)で割った余りはP(a) 一般的な場合
因数定理 P(a)=0 ⇔ (x-a)は因数 余りが0の特別な場合

因数定理を使うことで、高次の多項式でも系統的に因数分解できるようになります。特に3次式や4次式では、因数定理なしで因数分解するのは非常に困難でしょう。この定理は高校数学における強力な武器となるのです。

因数定理の重要性は、単に因数分解できることだけではありません。方程式P(x)=0の解を求める際にも、因数定理を使って因数を見つけ、次数を下げていくことで解を求めることができます。

因数定理の証明と剰余の定理との関係

続いては因数定理の証明と剰余の定理との関係を確認していきます。

剰余の定理の意味と内容

それではまず、剰余の定理について解説していきます。

剰余の定理とは、多項式P(x)を1次式(x-a)で割ったときの余りは、P(a)に等しいという定理です。これは因数定理の基礎となる重要な定理となります。

【剰余の定理】

P(x) = (x – a)Q(x) + R

この式でx=aを代入すると

P(a) = 0 × Q(a) + R

P(a) = R

よって、余りRはP(a)に等しい

剰余の定理の意味を理解するために、具体例を見てみましょう。P(x) = x³ + 2x² – 5x + 3 を (x-1) で割ったときの余りを求めるとします。剰余の定理を使えば、P(1)を計算するだけで余りがわかるのです。

【剰余の定理の例】

P(x) = x³ + 2x² – 5x + 3 を (x – 1) で割った余り

P(1) = 1 + 2 – 5 + 3 = 1

よって余りは 1

剰余の定理は、割り算を実際に行わなくても余りがわかるという点で非常に便利です。計算の手間が大きく省けるため、高校数学では頻繁に使われる定理となっています。

因数定理の証明

次に、因数定理の証明について確認していきます。

因数定理は剰余の定理から直接導くことができます。剰余の定理において余りが0になる特別な場合が因数定理なのです。

【因数定理の証明】

多項式P(x)を(x-a)で割ると

P(x) = (x – a)Q(x) + R

剰余の定理より R = P(a)

もし P(a) = 0 ならば

P(x) = (x – a)Q(x) + 0

P(x) = (x – a)Q(x)

よって (x – a) はP(x)の因数である

この証明から、因数定理と剰余の定理の関係が明確にわかります。剰余の定理は余りが任意の値Rの場合、因数定理は余りが0の場合を扱っているのです。

因数定理は「割り切れる」ことを判定する定理です。P(a)=0となることは、P(x)が(x-a)で割り切れること、つまり(x-a)が因数であることと同値なのです。

逆方向の証明も重要です。もし(x-a)がP(x)の因数ならば、P(x) = (x-a)Q(x)と表せます。このときx=aを代入すると、P(a) = 0×Q(a) = 0となり、P(a)=0が成り立つことがわかるでしょう。

因数定理と剰余の定理の使い分け

最後に、2つの定理の使い分けについて見ていきましょう。

因数定理と剰余の定理は密接に関係していますが、使用する場面が異なります。問題が求めているものに応じて、適切な定理を選ぶことが重要です。

定理 使用場面 求めるもの
剰余の定理 余りを求める問題 P(x)を(x-a)で割った余り
因数定理 因数分解・因数を見つける問題 P(x)の因数
両方 方程式を解く問題 P(x)=0の解

【使い分けの例】

問題1:x³ – 2x² + x – 2 を (x – 2) で割った余りを求めよ

→ 剰余の定理を使う:P(2)を計算

問題2:x³ – 2x² + x – 2 を因数分解せよ

→ 因数定理を使う:P(a)=0となるaを探す

実際の問題では、因数定理を使って因数を1つ見つけた後、組立除法などで次数を下げて残りの因数を求めていくという流れが一般的です。剰余の定理と因数定理を組み合わせて使うことで、効率的に問題を解くことができるでしょう。

因数定理を使った因数の見つけ方と3次式の因数分解

続いては因数定理を使った実際の因数の見つけ方を確認していきます。

因数の候補の見つけ方

それではまず、因数の候補をどのように見つけるかについて解説していきます。

因数定理を使うには、まずP(a)=0となるようなaの値を見つける必要があります。整数係数の多項式では、定数項の約数が候補となることが重要なポイントです。

【因数の候補の見つけ方】

P(x) = x³ – 6x² + 11x – 6 の因数を探す

定数項は -6

-6 の約数:±1, ±2, ±3, ±6

これらがaの候補となる

候補が見つかったら、それぞれをP(x)に代入してP(a)=0となるかを確認します。0になれば(x-a)が因数、0にならなければ因数ではないと判断できるのです。

【実際の確認】

P(x) = x³ – 6x² + 11x – 6

P(1) = 1 – 6 + 11 – 6 = 0 ✓

よって (x – 1) は因数

P(2) = 8 – 24 + 22 – 6 = 0 ✓

よって (x – 2) も因数

整数係数の多項式では、整数解は必ず定数項の約数になります。これは有理根定理と呼ばれる定理から導かれる性質です。

最高次の係数が1でない場合は、定数項の約数だけでなく、最高次の係数の約数でも割った値も候補に含める必要があります。例えば、2x³ + x² – 5x + 2 の場合、±1, ±2, ±1/2 が候補となるでしょう。

3次式の因数分解の手順

次に、3次式を因数定理を使って因数分解する具体的な手順について確認していきます。

3次式の因数分解では、因数定理で1つ因数を見つけた後、組立除法や筆算で割り算を行い、2次式に次数を下げるという流れが基本です。

【3次式の因数分解の手順】

P(x) = x³ – 2x² – 5x + 6 を因数分解する

手順1:定数項6の約数 ±1, ±2, ±3, ±6 を候補とする

手順2:P(1) = 1 – 2 – 5 + 6 = 0 より (x – 1) が因数

手順3:(x – 1) で割って P(x) = (x – 1)(x² – x – 6)

手順4:x² – x – 6 を因数分解して (x – 3)(x + 2)

答え:P(x) = (x – 1)(x – 3)(x + 2)

手順3での割り算は、組立除法を使うと効率的に計算できます。組立除法については後ほど詳しく説明しますが、筆算よりも速く正確に計算できる方法です。

ステップ やること ポイント
1. 候補を挙げる 定数項の約数を列挙 正負両方を忘れずに
2. 代入して確認 P(a)=0となるaを探す 小さい値から試す
3. 割り算を実行 組立除法で次数を下げる ミスなく計算
4. 2次式を処理 通常の因数分解 公式を活用

複雑な3次式の因数分解

最後に、やや複雑な3次式の因数分解について見ていきましょう。

すべての3次式が簡単に因数分解できるわけではありません。整数解を持たない場合や、複数の因数を持つ場合など、様々なパターンがあります。

【複数の因数を持つ例】

P(x) = x³ – 3x² + 3x – 1 を因数分解

P(1) = 1 – 3 + 3 – 1 = 0 より (x – 1) が因数

割り算を実行:P(x) = (x – 1)(x² – 2x + 1)

x² – 2x + 1 = (x – 1)²

よって P(x) = (x – 1)³

このように、同じ因数が複数回現れることもあります。この場合、因数定理を繰り返し使うことで、すべての因数を見つけることができるのです。

【整数解を持たない例】

P(x) = x³ + x² + x + 1

定数項1の約数:±1

P(1) = 1 + 1 + 1 + 1 = 4 ≠ 0

P(-1) = -1 + 1 – 1 + 1 = 0 ✓

よって (x + 1) が因数

P(x) = (x + 1)(x² + 1)

整数解がない場合や見つけにくい場合でも、因数定理の考え方は有効です。候補を系統的に試していくことで、必ず因数を見つけることができるでしょう。

組立除法による効率的な計算方法

続いては組立除法による効率的な計算方法を確認していきます。

組立除法とは何か

それではまず、組立除法の意味と仕組みについて解説していきます。

組立除法とは、多項式を1次式(x-a)で割る計算を、係数だけを使って効率的に行う方法です。筆算による割り算よりも速く、ミスも少なくできる優れた計算技法となります。

【組立除法の基本形】

P(x) = x³ + 2x² – 5x + 3 を (x – 2) で割る

aの値:2(x-2なので)

係数を並べる:1, 2, -5, 3

組立除法の計算:

2 | 1 2 -5 3

| 2 8 6

—————

1 4 3 9

商:x² + 4x + 3、余り:9

組立除法の手順は次の通りです。最初の係数をそのまま下に書き、それにaを掛けて次の列に書き、元の係数と足し、その結果にまたaを掛けて次の列に書く、という操作を繰り返します。

組立除法の最大のメリットは、計算が速いことと、余りも同時に求められることです。因数定理と組み合わせて使うと、因数分解が非常に効率的になります。

組立除法の具体的な手順

次に、組立除法の具体的な計算手順について確認していきます。

組立除法を正確に実行するには、手順を一つひとつ丁寧に行うことが重要です。慣れるまでは、各ステップを確認しながら進めましょう。

【組立除法の詳細手順】

x³ – 4x² + x + 6 を (x – 2) で割る

ステップ1:a=2、係数を並べる 1, -4, 1, 6

ステップ2:最初の1をそのまま下に書く

ステップ3:1×2=2を次の列に書く

ステップ4:-4+2=-2を下に書く

ステップ5:-2×2=-4を次の列に書く

ステップ6:1+(-4)=-3を下に書く

ステップ7:-3×2=-6を次の列に書く

ステップ8:6+(-6)=0を下に書く(これが余り)

答え:商 x² – 2x – 3、余り 0

余りが0になったということは、(x-2)が因数であることを意味します。これは因数定理の確認にもなっているのです。

操作 内容 注意点
準備 aの値と係数を確認 x-aのaを使う
初項 最初の係数をそのまま下ろす 必ず実行
繰り返し 掛けて、足して、下ろす 符号に注意
最後 最後の数が余り 0なら因数

組立除法を使った因数分解の実践

最後に、組立除法を使った因数分解の実践例について見ていきましょう。

因数定理と組立除法を組み合わせると、3次式や4次式の因数分解が驚くほどスムーズに進みます。実際の問題で使ってみましょう。

【実践例】

P(x) = x³ + 2x² – x – 2 を因数分解せよ

手順1:定数項-2の約数 ±1, ±2 を試す

P(1) = 1 + 2 – 1 – 2 = 0 ✓

手順2:組立除法で (x – 1) で割る

1 | 1 2 -1 -2

| 1 3 2

—————

1 3 2 0

商:x² + 3x + 2

手順3:x² + 3x + 2 = (x + 1)(x + 2)

答え:P(x) = (x – 1)(x + 1)(x + 2)

組立除法を使えば、割り算の過程で計算ミスが起きにくく、確実に答えを導くことができます。特に係数が大きい場合や、複雑な計算が必要な場合に威力を発揮するでしょう。

【4次式の例】

x⁴ – 5x³ + 5x² + 5x – 6 を因数分解

P(1) = 1 – 5 + 5 + 5 – 6 = 0 より (x – 1) が因数

組立除法で割ると x³ – 4x² + x + 6

さらに P(2) = 0 より (x – 2) も因数

再度組立除法で x² – 2x – 3 = (x – 3)(x + 1)

答え:(x – 1)(x – 2)(x – 3)(x + 1)

このように、因数定理と組立除法を繰り返し使うことで、高次の多項式でも確実に因数分解できます。練習を重ねて、スムーズに使えるようになりましょう。

まとめ

因数定理とは、多項式P(x)についてP(a)=0となるとき、(x-a)がP(x)の因数であるという定理です。代入して0になる値を見つければ因数がわかるという、因数分解の強力な判定基準を提供してくれます。

因数定理は剰余の定理から導かれる定理で、剰余の定理において余りが0になる特別な場合が因数定理に対応しています。剰余の定理は余りを求める問題に、因数定理は因数分解の問題に使い分けることが重要です。

因数を見つける際には、整数係数の多項式では定数項の約数が候補となります。候補を順に代入してP(a)=0となるaを見つけたら、その(x-a)が因数だとわかるのです。3次式では、因数を1つ見つけて割り算で2次式に次数を下げ、残りを因数分解するという流れが基本となります。

組立除法は、多項式を(x-a)で割る計算を効率的に行う方法です。係数だけを使って計算できるため、筆算よりも速く正確に割り算ができます。因数定理と組立除法を組み合わせることで、高次の多項式でも系統的に因数分解できるようになるでしょう。

因数定理をマスターすれば、3次式や4次式の因数分解、高次方程式を解く問題など、高校数学の様々な場面で活用できます。基本をしっかり理解して、練習問題で使い方を身につけていきましょう。