エクセルでデータを視覚化する際、2次元のグラフでは表現しきれない複雑なデータ関係を表したい場面があるでしょう。
3次元グラフ(3Dグラフ)を使えば、X軸、Y軸、Z軸の3つの変数を同時に表現でき、データの立体的な関係性を直感的に理解することが可能です。
エクセルには3D散布図、3D縦棒グラフ、3D等高線グラフなど、様々な3Dグラフの種類が用意されています。
本記事では、エクセルで3次元グラフを作成する方法として、基本的な作成手順から、散布図や等高線グラフの使い分け、3軸の設定方法まで詳しく解説いたしますので、ぜひ参考にしてくださいませ。
エクセルで作成できる3Dグラフの種類
それではまず3Dグラフの種類について解説していきます。
エクセルでは、用途に応じて複数の3Dグラフ形式を選択することができます。
3D縦棒グラフと3D横棒グラフ
3D縦棒グラフは、カテゴリ別のデータを立体的な棒で表現するグラフです。
通常の2次元縦棒グラフに奥行きが加わり、視覚的なインパクトが強くなります。
用途の例
・月別売上の比較
・商品カテゴリ別の販売数
・部門別の業績推移
ただし、3D縦棒グラフは見た目の華やかさはありますが、奥にある棒が手前の棒に隠れて見えにくくなる場合があるため注意が必要です。
3D円グラフと3D面グラフ
3D円グラフは、全体に対する各要素の割合を立体的に表現するグラフです。
2次元の円グラフに厚みを持たせることで、よりインパクトのある表現が可能になるでしょう。
3D面グラフは、時系列データの変化を立体的な面で表現し、複数のデータ系列の積み重ねや比較に適しています。
3D散布図(バブルチャート)
3D散布図は、X軸、Y軸、Z軸の3つの変数を同時にプロットできるグラフです。
科学実験のデータ分析や、複数の変数間の相関関係を視覚化する際に非常に有効でしょう。
3D散布図は、真の3次元データを表現できる数少ないグラフ形式です。X、Y、Zの3つの数値軸を持つため、多変量解析やシミュレーション結果の可視化に最適です。
基本的な3Dグラフの作成手順
続いては3Dグラフの基本的な作成方法について確認していきましょう。
エクセルでは、通常のグラフ作成と同様の手順で3Dグラフを作成できます。
データの準備とグラフの挿入
まず、グラフ化したいデータ範囲を選択します。
「挿入」タブから「グラフ」グループを開き、作成したい3Dグラフの種類を選択してください。
基本手順
1. データ範囲を選択する
2. 「挿入」タブをクリック
3. グラフの種類から3D形式を選択
4. グラフが自動的に作成される
グラフが挿入されたら、グラフツールの「デザイン」タブや「書式」タブを使って、細かい調整を行うことができます。
3Dグラフの回転と視点の変更
3Dグラフの大きな特徴は、視点を自由に変更できることです。
グラフを右クリックして「3-D回転」を選択すると、X軸、Y軸、Z軸の回転角度を調整できるダイアログが表示されます。
回転の調整項目
・X方向の回転:上下の角度
・Y方向の回転:左右の角度
・遠近法:立体感の強弱
・奥行き:Z軸方向の深さ
データが最も見やすくなる角度を探して調整することが重要でしょう。
軸ラベルとタイトルの設定
3Dグラフでも、通常のグラフと同様に軸ラベルやグラフタイトルを設定できます。
「グラフ要素を追加」ボタンから、必要な要素を選択して追加してください。
特に3Dグラフでは、どの軸が何を表しているかを明確に示すことが重要です。
3D散布図で3軸データを表現する
続いては3D散布図の作成方法について確認していきましょう。
残念ながら、エクセルの標準機能では真の3D散布図は直接作成できないため、工夫が必要です。
エクセルの3D散布図の制限
エクセルには「3-D散布図」という名前のグラフ形式が存在しません。
通常の散布図はX軸とY軸の2次元のみに対応しており、Z軸を追加することができないのです。
ただし、バブルチャートを使えば、バブルのサイズで第3の変数を疑似的に表現することは可能でしょう。
バブルチャートで疑似3D表現
バブルチャートは、X軸、Y軸に加えて、バブルの大きさで第3の変数を表現できるグラフです。
完全な3D散布図ではありませんが、3つの変数の関係性を視覚化する際に有効な方法です。
バブルチャートのデータ構造
・A列:X軸のデータ
・B列:Y軸のデータ
・C列:バブルサイズ(Z軸相当)
この3列を選択して「挿入」→「バブルチャート」を選択
バブルの色を変えることで、さらに第4の変数を表現することも可能です。
アドインやマクロを使った真の3D散布図
真の3D散布図を作成したい場合には、サードパーティのアドインや、VBAマクロを使用する方法があります。
また、Pythonのmatplotlibライブラリや、Rの可視化パッケージなど、他のツールを併用することも選択肢になるでしょう。
エクセル単体での実現は難しいため、用途に応じて適切なツールを選択することをお勧めいたします。
3D等高線グラフと3D曲面グラフ
続いては等高線グラフと曲面グラフについて確認していきましょう。
これらのグラフは、2次元の平面上で3次元データを表現する方法として非常に有効です。
3D等高線グラフの作成方法
等高線グラフは、地図の等高線のように、同じ値を持つ点を線で結んで表現するグラフです。
温度分布、濃度分布、標高データなどの可視化に適しているでしょう。
等高線グラフのデータ準備
・行と列に独立変数(X軸、Y軸)を配置
・セルの値に従属変数(Z軸)を入力
・表形式のデータを選択して「挿入」→「等高線グラフ」を選択
等高線の間隔や色分けは、グラフの書式設定から調整できます。
3D曲面グラフの特徴
3D曲面グラフは、等高線グラフを立体的に表現したグラフです。
データの高低を実際の立体曲面として視覚化できるため、データの全体像を直感的に理解しやすくなります。
数式のグラフ化や、物理シミュレーションの結果表示などに活用されるでしょう。
ワイヤーフレームとカラーマップ
3D曲面グラフには、ワイヤーフレーム形式とカラーマップ形式があります。
ワイヤーフレームは格子状の線で曲面を表現し、カラーマップは色の濃淡で高さを表現する方法です。
| グラフ種類 | 表現方法 | 適した用途 |
|---|---|---|
| 3D縦棒 | 立体的な棒 | カテゴリ別比較 |
| 3D円 | 立体的な円 | 構成比の表示 |
| バブルチャート | バブルサイズ | 3変数の関係 |
| 3D等高線 | 等高線 | 分布の可視化 |
| 3D曲面 | 立体曲面 | 関数や地形の表現 |
3Dグラフ作成時の注意点とコツ
続いては3Dグラフを効果的に使うためのポイントについて確認していきましょう。
3Dグラフは視覚的に魅力的ですが、使い方を誤ると逆に分かりにくくなることもあります。
過度な装飾を避ける
3Dグラフは立体的な表現により視覚的なインパクトがありますが、過度に装飾すると本来のデータが読み取りにくくなります。
影や反射、透明度などの効果は控えめにし、データの可読性を最優先に考えることが重要です。
ビジネス資料では、見た目の華やかさよりもデータの正確な理解が優先されます。3Dグラフを使う場合でも、シンプルで読み取りやすいデザインを心がけましょう。
適切な視点角度の選択
3Dグラフでは、視点の角度によってデータの見え方が大きく変わります。
全てのデータポイントが見えるように、また重要なデータが隠れないように角度を調整してください。
複数の角度から確認して、最も分かりやすい視点を選ぶことが推奨されます。
2Dグラフとの使い分け
3Dグラフは必ずしも2Dグラフより優れているわけではありません。
データの性質や伝えたい情報に応じて、適切な形式を選択することが重要でしょう。
2Dグラフが適している場合
・正確な数値の読み取りが必要
・印刷物での使用
・シンプルなデータ比較
3Dグラフが適している場合
・3つ以上の変数の関係性を表現
・視覚的なインパクトが重要
・プレゼンテーションでの使用
用途に応じた適切な選択が、効果的なデータ可視化につながります。
まとめ
エクセルで3次元グラフを作成するには、3D縦棒グラフ、3D円グラフ、バブルチャート、3D等高線グラフ、3D曲面グラフなど、用途に応じた形式を選択することが重要です。
真の3D散布図はエクセル標準機能では作成できませんが、バブルチャートで疑似的に表現することは可能でしょう。
3Dグラフを作成する際には、視点角度の調整、軸ラベルの明確化、過度な装飾の回避といった点に注意が必要です。
また、全ての場面で3Dグラフが最適とは限らないため、データの性質や目的に応じて2Dグラフとの使い分けを適切に行うことが推奨されます。
3次元グラフを効果的に活用することで、複雑なデータの関係性を直感的に理解しやすくなり、より説得力のあるデータプレゼンテーションが実現できるでしょう。