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クーロン力とは?意味や公式をわかりやすく解説!(静電気力・電荷・斥力・引力・電気量など)

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クーロン力は、電荷を持つ物体の間に働く力であり、静電気力とも呼ばれます。

この力は、同じ符号の電荷同士では斥力(反発する力)、異なる符号の電荷同士では引力(引き合う力)として現れるのです。

クーロン力の大きさは、2つの電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例するという法則(クーロンの法則)に従います。

本記事では、クーロン力の定義と意味、公式と計算方法、引力と斥力の違い、電気量との関係、日常での現れ方などを詳しく解説いたしますので、ぜひ参考にしてくださいませ。

クーロン力とは何か

それではまずクーロン力の基本概念について解説していきます。

電荷間に働く基本的な相互作用を理解しましょう。

クーロン力の定義

クーロン力(Coulomb force)は、電荷を持つ粒子や物体の間に働く力です。

静電気力(electrostatic force)や電気力(electric force)とも呼ばれ、同じ力を指します。

クーロン力の特徴

・電荷間に働く基本的な力

・距離を隔てて作用する(遠隔作用)

・引力と斥力の両方がある

・電荷の符号によって向きが決まる

・クーロンの法則で大きさが決まる

この力は、自然界の4つの基本的な相互作用の一つである電磁相互作用に含まれます。

静電気力との関係

クーロン力と静電気力は、基本的に同じ力を指します。

文脈によって使い分けられることがあるでしょう。

用語の使い分け

クーロン力

・より一般的な用語

・理論的な文脈

・法則の名前に由来

静電気力

・静止した電荷間の力を強調

・実用的な文脈

・日常現象との関連

どちらの用語も、同じ物理現象を表しています。

電気量(電荷量)との関係

クーロン力の大きさは、電荷量によって決まります。

電気量が大きいほど、働く力も強くなるのです。

電気量(電荷量)とは

・物体が持つ電気的性質の量

・正の電荷と負の電荷がある

・単位はクーロン(C)

・陽子は+e、電子は-eの電荷を持つ

e ≈ 1.6×10⁻¹⁹ C(電気素量)

電気量が多いほど、クーロン力は強くなります。

クーロン力は、原子や分子の構造を決定する基本的な力です。原子核の陽子と周囲の電子を結びつけているのもクーロン力であり、化学結合の多くもこの力に基づいています。

クーロン力の公式

続いてはクーロン力の公式について確認していきましょう。

クーロンの法則として知られる数式を理解します。

クーロンの法則の基本式

クーロン力の大きさは、クーロンの法則で表されます。

2つの点電荷間に働く力を計算する基本公式です。

クーロンの法則

F = k |q₁q₂| / r²

F:クーロン力の大きさ(N)

k:クーロン定数 ≈ 9.0×10⁹ N・m²/C²

q₁, q₂:2つの電荷(C)

r:電荷間の距離(m)

絶対値記号| |は、力の大きさを表すために使われています。

公式の各要素の意味

公式に含まれる各項が、力にどのように影響するかを見ていきましょう。

それぞれの物理的意味を理解することが重要です。

電荷の積 q₁q₂

・電荷が大きいほど力も大きい

・2倍の電荷なら4倍の力(両方2倍の場合)

距離の2乗 r²

・距離が2倍なら力は1/4

・距離が3倍なら力は1/9

・逆2乗の法則

電荷に比例し、距離の2乗に反比例するという関係が重要です。

ベクトル形式での表現

クーロン力はベクトル量なので、向きも含めて表現できます。

数学的には、ベクトル形式で記述されるでしょう。

ベクトル形式のクーロンの法則

F⃗₁₂ = k (q₁q₂/r²) r̂₁₂

F⃗₁₂:電荷1が電荷2から受ける力

r̂₁₂:電荷1から電荷2への単位ベクトル

同符号なら力は離れる向き

異符号なら力は近づく向き

ベクトル表記により、力の向きも含めて記述できます。

引力と斥力の違い

続いては引力と斥力について確認していきましょう。

電荷の符号によって、力の向きが決まります。

同符号の電荷(斥力)

同じ符号の電荷同士では、斥力が働きます。

正電荷同士、または負電荷同士は互いに反発するのです。

斥力が働く場合

・正電荷 + 正電荷

・負電荷 + 負電荷

・電荷の積 q₁q₂ > 0

・互いに遠ざかる方向に力が働く

・近づけるには外力が必要

同符号の電荷は、自然に離れていこうとします。

異符号の電荷(引力)

異なる符号の電荷同士では、引力が働きます。

正電荷と負電荷は互いに引き合います。

引力が働く場合

・正電荷 + 負電荷

・負電荷 + 正電荷

・電荷の積 q₁q₂ < 0

・互いに近づく方向に力が働く

・自然に引き寄せられる

異符号の電荷は、自然に引き合います。

力の向きの判断方法

問題を解く際には、電荷の符号から力の向きを正しく判断する必要があります。

図を描いて確認すると、間違いが減るでしょう。

力の向きの判断手順

1. 各電荷の符号を確認

2. 同符号か異符号かを判定

3. 同符号→斥力(離れる向き)

4. 異符号→引力(近づく向き)

5. 図に力の矢印を描く

視覚化することで、理解が深まります。

クーロン力の計算例

続いては具体的な計算問題を通じて確認していきましょう。

実際に数値を代入して、力を求める練習をします。

基本的な計算(斥力)

同符号の電荷間に働く斥力を計算してみましょう。

単位の換算に注意して計算します。

例題:+3.0×10⁻⁶ Cと+4.0×10⁻⁶ Cの電荷が0.20 m離れている。働くクーロン力は?

解答

q₁ = +3.0×10⁻⁶ C

q₂ = +4.0×10⁻⁶ C

r = 0.20 m

F = 9.0×10⁹ × (3.0×10⁻⁶ × 4.0×10⁻⁶) / (0.20)²

= 9.0×10⁹ × 12×10⁻¹² / 0.04

= 2.7 N

同符号なので斥力(互いに反発)

答えの単位はニュートン(N)になります。

基本的な計算(引力)

異符号の電荷間に働く引力を計算してみましょう。

符号が異なるだけで、計算手順は同じです。

例題:+2.0×10⁻⁸ Cと-5.0×10⁻⁸ Cの電荷が0.10 m離れている。働くクーロン力は?

解答

q₁ = +2.0×10⁻⁸ C

q₂ = -5.0×10⁻⁸ C

r = 0.10 m

F = 9.0×10⁹ × |2.0×10⁻⁸ × (-5.0×10⁻⁸)| / (0.10)²

= 9.0×10⁹ × 10×10⁻¹⁶ / 0.01

= 9.0×10⁻⁵ N

異符号なので引力(互いに引き合う)

絶対値を取るので、力の大きさは正になります。

単位換算を含む計算

μC(マイクロクーロン)やcm(センチメートル)で与えられた場合の計算です。

標準単位に変換してから計算しましょう。

例題:+6.0μCと+8.0μCの電荷が30cm離れている。働く力は?

解答

単位を変換

q₁ = 6.0μC = 6.0×10⁻⁶ C

q₂ = 8.0μC = 8.0×10⁻⁶ C

r = 30cm = 0.30 m

F = 9.0×10⁹ × (6.0×10⁻⁶ × 8.0×10⁻⁶) / (0.30)²

= 9.0×10⁹ × 48×10⁻¹² / 0.09

= 4.8 N

μC→C、cm→mの換算を忘れないようにしてください。

電荷の組み合わせ q₁q₂の符号 力の種類 力の向き
+ と + 斥力 互いに離れる
– と – 斥力 互いに離れる
+ と – 引力 互いに近づく
– と + 引力 互いに近づく

日常生活でのクーロン力

続いてはクーロン力の身近な例について確認していきましょう。

日常で経験する現象の多くが、クーロン力に関係しています。

静電気現象

冬場にドアノブに触れたときのバチッという放電は、クーロン力による現象です。

体に蓄積された電荷が、金属に引き寄せられて移動するのです。

静電気の例

・衣服の摩擦で帯電

・下敷きで髪の毛が引き寄せられる

・風船を壁にくっつける

・プラスチックの梱包材がまとわりつく

これらは全て、クーロン力の引力が働いています。

原子・分子の構造

原子核の陽子と周囲の電子を結びつけているのは、クーロン力です。

この力がなければ、原子は存在できません。

原子レベルでのクーロン力

・原子核(+)と電子(-)の引力

・イオン結合(Na⁺とCl⁻など)

・分子内の電荷分布

・化学結合の基礎

物質の性質の多くが、クーロン力によって決まります。

雷の発生

雷は、雲と地面の間に蓄積された大量の電荷が、クーロン力によって引き寄せられて放電する現象です。

非常に強力なクーロン力が働いているでしょう。

雷では、数十クーロンもの電荷が移動します。これは日常の静電気(数μC程度)と比べて、桁違いに大きな電荷量です。それだけ強力なクーロン力が働いています。

クーロン力と万有引力の比較

続いてはクーロン力と万有引力の違いについて確認していきましょう。

どちらも逆2乗則に従う力ですが、重要な違いがあります。

数学的な類似性

クーロン力と万有引力は、同じ数学的形式を持ちます。

どちらも距離の2乗に反比例する逆2乗則です。

クーロン力

F = k q₁q₂ / r²

万有引力

F = G m₁m₂ / r²

対応関係

電荷q ↔ 質量m

クーロン定数k ↔ 万有引力定数G

形式が同じなので、同様の数学的手法が使えます。

本質的な違い

数学的には似ていますが、物理的には重要な違いがあります。

特に、力の符号に関する性質が異なるのです。

主な違い

クーロン力

・引力と斥力の両方

・電荷に正負がある

・遮蔽が可能(導体で囲む)

万有引力

・常に引力のみ

・質量は常に正

・遮蔽不可能

斥力が存在することが、クーロン力の大きな特徴です。

力の強さの比較

同じ粒子(例えば陽子)に対して、クーロン力と万有引力を比較すると、圧倒的な差があります。

クーロン力は万有引力よりもはるかに強い力です。

陽子2個の場合の力の比

クーロン力(斥力) / 万有引力(引力)

≈ 1.2 × 10³⁶

クーロン力は万有引力の約10³⁶倍!

このため、原子レベルでは重力は無視できます。

まとめ

クーロン力は、電荷を持つ物体間に働く力であり、静電気力や電気力とも呼ばれる基本的な相互作用です。

クーロンの法則 F = k|q₁q₂|/r² により、力の大きさは電荷の積に比例し距離の2乗に反比例することが表されます。

同符号の電荷間では斥力(互いに反発)、異符号の電荷間では引力(互いに引き合う)が働き、電荷の符号によって力の向きが決まるのです。

電気量(電荷量)が大きいほどクーロン力は強くなり、1クーロンという単位は日常的なスケールでは非常に大きいため、実用的にはμC(マイクロクーロン)程度が扱われます。

日常生活では、静電気現象、原子・分子の構造、化学結合、雷など、様々な場面でクーロン力が働いており、物質の性質を決定する基本的な力でしょう。

クーロン力と万有引力は数学的に同じ逆2乗則の形を持ちますが、クーロン力には引力と斥力の両方があり、万有引力の約10³⁶倍も強力という違いがあります。

計算では、単位をC(クーロン)とm(メートル)に統一し、k = 9.0×10⁹ N・m²/C² を使って F = kq₁q₂/r² に代入することで、クーロン力の大きさを求めることができるのです。