印刷物や図面を扱う際に、A2サイズとA3サイズのどちらを使うべきか迷うことがあるでしょう。両方ともA判用紙の規格ですが、サイズの違いを正確に理解していないと、印刷や作成の際に困ることがあります。
A2サイズとA3サイズの関係は非常にシンプルです。A2サイズはA3サイズのちょうど2倍の大きさで、A2を半分に折るとA3になります。この規則的な関係により、拡大縮小の計算や分割印刷などが容易に行えるのです。
本記事では、A2とA3のサイズの違いを具体的な数値で比較し、倍率や縮尺、A2をA3用紙2枚で印刷する方法、図面の折り方まで詳しく解説していきます。それぞれのサイズの特徴を理解して、用途に応じた適切な選択ができるようになりましょう。
A2サイズとA3サイズの基本的な違い(結論)
それではまず、A2サイズとA3サイズの基本的な違いについて解説していきます。
寸法の比較
A2サイズとA3サイズの寸法を比較してみましょう。
【A2サイズ】
縦:594mm(59.4cm)
横:420mm(42.0cm)
面積:249,480mm²
【A3サイズ】
縦:420mm(42.0cm)
横:297mm(29.7cm)
面積:124,740mm²
A2の短辺(420mm)とA3の長辺(420mm)が同じ長さであることに注目してください。これは、A2を半分に折るとA3になることを示しています。
| サイズ | 縦(mm) | 横(mm) | 縦(cm) | 横(cm) |
|---|---|---|---|---|
| A2 | 594 | 420 | 59.4 | 42.0 |
| A3 | 420 | 297 | 42.0 | 29.7 |
| 差 | 174 | 123 | 17.4 | 12.3 |
縦の差は174mm(17.4cm)、横の差は123mm(12.3cm)となります。実際に並べてみると、A2の方がかなり大きく感じられるでしょう。
面積と倍率の関係
面積で比較すると、A2とA3の関係がより明確になります。
A2の面積:594 × 420 = 249,480mm²
A3の面積:420 × 297 = 124,740mm²
比率:249,480 ÷ 124,740 = 2.0
A2の面積はA3のちょうど2倍です。これはA判用紙の規格の特徴で、数字が1つ変わると面積が2倍または半分になります。
拡大縮小の倍率を計算すると、
【拡大縮小の倍率】
A3→A2への拡大:約141%(√2倍)
A2→A3への縮小:約71%(1/√2倍)
正確には√2 = 1.41421356…なので、141.4%や70.7%となります。コピー機で拡大縮小する際は、これらの倍率を使用すれば良いでしょう。
A2はA3の何枚分か
視覚的に分かりやすく表現すると、A2サイズはA3用紙2枚分の大きさです。
A2 = A3 × 2枚
A3用紙を2枚、長辺同士を合わせて並べるとA2サイズになります。具体的には、A3を縦に2枚並べた形、または横に2枚並べた形がA2サイズです。
この関係は印刷や製本の場面で重要になります。A2の原稿をA3の冊子にする場合、見開きでちょうど1ページ分になるという計算が成り立つのです。
拡大縮小と倍率の計算
続いては、拡大縮小と倍率の計算を確認していきます。
A3からA2への拡大方法
A3サイズの原稿をA2サイズに拡大する方法を見ていきましょう。
コピー機やプリンターで拡大する場合、141%に設定すれば良いのです。より正確には、141.4%または√2倍となります。
【拡大倍率の計算】
A2の長辺 ÷ A3の長辺 = 594 ÷ 420 = 1.414…
パーセント表示:141.4%
多くのコピー機には「A3→A2」という自動倍率設定があります。これを選択すれば、手動で数値を入力する必要はありません。
ただし、若干のズレが生じることがあるため、重要な原稿の場合は試し刷りをして確認することをお勧めします。
A2からA3への縮小方法
逆に、A2サイズの原稿をA3サイズに縮小する場合を見ていきます。
縮小倍率は71%または70.7%に設定します。これは√2の逆数である1/√2の値です。
【縮小倍率の計算】
A3の長辺 ÷ A2の長辺 = 420 ÷ 594 = 0.707…
パーセント表示:70.7%
図面や資料を縮小コピーする際によく使われる倍率でしょう。A2の図面をA3ファイルに収めたい場合などに活用されます。
| 変換方向 | 倍率(%) | 倍率(倍) | 用途例 |
|---|---|---|---|
| A3→A2 | 141% | √2倍 | ポスター拡大 |
| A2→A3 | 71% | 1/√2倍 | 図面縮小コピー |
正確な倍率と実用的な倍率
理論値と実用値について整理しておきましょう。
理論的に正確な倍率は以下の通りです。
【理論値】
拡大:√2 = 1.41421356…
縮小:1/√2 = 0.70710678…
しかし、実際の機器では小数点以下の細かい設定ができないことが多いため、以下の実用値が使われます。
【実用値】
拡大:141% または 141.4%
縮小:71% または 70.7%
141%と141.4%の違いは約0.3%程度で、通常の用途では141%で十分です。ただし、精密な図面や大判ポスターなどでは、141.4%を使用する方が望ましいでしょう。
A2をA3用紙2枚で印刷する方法
続いては、A2をA3用紙2枚で印刷する方法を確認していきます。
分割印刷の基本手順
A2サイズのデータを持っているが、A3プリンターしかない場合、分割印刷(ポスター印刷)という方法が使えます。
【分割印刷の手順】
1. A2サイズのPDFまたは画像を用意
2. プリンター設定で「ポスター印刷」を選択
3. 分割数を「2枚」に設定
4. A3用紙で印刷
5. 2枚を貼り合わせて完成
Adobe Acrobat Readerの場合、以下の設定で分割印刷ができます。
【Acrobat Readerでの設定】
印刷設定→「ポスター」を選択
タイルの倍率:100%
重なり:5mm程度(貼り合わせ用)
用紙サイズ:A3
重なり部分を設定しておくと、貼り合わせる際に余裕ができて作業がしやすくなるでしょう。
Excel・Word・PowerPointでの分割方法
Microsoft OfficeソフトでもA2をA3に分割できます。
PowerPointでの方法が最も簡単です。
【PowerPointでの分割印刷】
1. スライドサイズをA2(420×594mm)に設定
2. 印刷設定で「1ページあたりのスライド数」を選択
3. 「A3用紙に合わせる」を選択
4. プリンタープロパティで「ポスター印刷」を有効化
Excelでの場合は、ページ設定でA2サイズを指定した上で、プリンター側の設定でポスター印刷を選択します。
| ソフトウェア | 設定方法 | 難易度 |
|---|---|---|
| Adobe Reader | 印刷設定でポスター選択 | 簡単 |
| PowerPoint | スライドサイズ+印刷設定 | 簡単 |
| Excel | ページ設定+プリンター設定 | 中程度 |
| Illustrator | アートボード分割 | やや難 |
貼り合わせのコツ
印刷した2枚のA3用紙をきれいに貼り合わせる方法です。
【貼り合わせの手順】
1. 2枚の用紙を重ねて位置を確認
2. 重なり部分の中央でカット
3. テープまたは糊で裏から貼り付け
4. 表から見て継ぎ目が目立たないか確認
透明テープよりも両面テープの方がきれいに仕上がります。また、カッターマットを使って正確にカットすることで、継ぎ目を目立たなくできるでしょう。
プロフェッショナルな仕上がりを求める場合は、
・重なり部分を5mm程度確保
・金属定規とカッターで一直線にカット
・裏から和紙テープで貼る(目立ちにくい)
・表面を軽く押さえて密着させる
このような工夫をすると、印刷屋に依頼したような仕上がりに近づきます。
図面の折り方とファイリング方法
続いては、図面の折り方とファイリング方法を確認していきます。
A2図面をA3サイズに折る方法
A2の図面をA3ファイルに収納する際の標準的な折り方があります。
最もシンプルな方法は二つ折りです。
【二つ折りの手順】
1. A2図面を横向きに置く(594mm×420mm)
2. 中央で縦に二つ折り
3. 297mm×420mmのA3サイズになる
この方法なら、A3ファイルにそのまま収納できます。ただし、図面を広げる際に折り目がつくことが欠点でしょう。
より実用的な折り方として、製図の標準折り(JIS規格)があります。
【JIS規格の折り方】
1. まず縦に二つ折り(A3サイズ)
2. さらに必要に応じて横に折る
3. 表題欄が見えるように配慮
建築や機械の図面では、表題欄(タイトル、作成者、日付などの情報)が常に見える位置に来るように折るのが原則です。
A3図面をA4サイズに折る方法
参考として、A3図面をA4サイズに折る方法も紹介します。
【A3→A4の折り方】
1. A3図面を横向きに置く
2. 中央で縦に二つ折り
3. A4サイズ(210mm×297mm)になる
この原理はA2→A3と全く同じです。A判用紙の便利な特性として、一度折るだけで次のサイズになるという規則性があります。
| 元のサイズ | 折り方 | 折った後のサイズ |
|---|---|---|
| A2 | 縦に二つ折り | A3 |
| A3 | 縦に二つ折り | A4 |
| A4 | 縦に二つ折り | A5 |
ファイリングと保管のポイント
折った図面を適切に保管する方法です。
A3クリアファイルを使用するのが一般的です。市販されているA3対応のクリアファイルやバインダーに、折ったA2図面を収納します。
【ファイリングの種類】
・A3クリアホルダー:1枚ずつ保護
・A3バインダー:複数枚を綴じる
・図面ケース:筒状で丸めて保管
・フラットファイル:折らずに保管
頻繁に参照する図面は折って保管し、原本や重要な図面は折らずに図面ケースで保管するという使い分けが推奨されます。
デジタル化も進んでおり、PDFでスキャンしてデータ保管する方法も一般的になってきました。物理的な図面は必要最小限にして、データで管理する企業も増えているでしょう。
まとめ
A2サイズとA3サイズの違いは、A2が594mm×420mm、A3が420mm×297mmという寸法で、A2はA3のちょうど2倍の面積を持っています。A2を半分に折るとA3になり、拡大縮小の倍率はA3→A2が141%、A2→A3が71%です。
A2のデータをA3プリンターで印刷したい場合は、分割印刷(ポスター印刷)機能を使って2枚のA3用紙に分割し、貼り合わせることで対応できます。Adobe ReaderやPowerPointなどのソフトウェアで簡単に設定可能です。
図面の保管では、A2図面を縦に二つ折りすることでA3サイズになり、A3ファイルに収納できます。表題欄が見える位置を意識した折り方が重要でしょう。A判用紙の規則的な関係を理解することで、拡大縮小や分割印刷、折り方などの作業が効率的に行えるようになります。用途に応じてA2とA3を使い分け、必要に応じて変換や分割の技術を活用することが大切です。