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因数とは?意味と約数の違いをわかりやすく解説!(定義・例・共通因数・素因数・因数分解との関係・見つけ方など)

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中学数学で学ぶ「因数」という言葉。因数分解という単元名にも使われる重要な概念ですが、似たような言葉である「約数」との違いを正確に説明できるでしょうか。

因数は数や式を積の形で表したときの、それぞれの要素のことを指します。一方、約数は整数をきれいに割り切ることができる数のことです。どちらも「割る」という概念に関係しているため、混同しやすい用語なのです。

しかし、因数と約数の違いを理解していないと、因数分解の問題や素因数分解の問題で混乱してしまうことがあるでしょう。また、共通因数を見つける際にも、因数の正確な意味を知っていることが重要になります。

この記事では、因数とは何か、その意味と定義を基礎から丁寧に解説していきます。約数との違い、共通因数や素因数といった関連概念、そして因数分解との関係まで、中学生にもわかりやすく説明していきますので、数学が苦手な方も安心して学習できる内容となっています。因数の見つけ方や実際の使い方も具体例とともに確認していきましょう。

因数とは式や数を積の形で表したときの各要素のこと

それではまず因数の基本的な定義について解説していきます。

因数とは、数や式を積(掛け算)の形で表したときの、それぞれの要素のことを指します。例えば、6を2×3という積の形で表したとき、2と3はそれぞれ6の因数となるのです。

もう少し具体的に見てみましょう。12という数を考えると、これは様々な積の形で表すことができます。12 = 2×6、12 = 3×4、12 = 2×2×3などです。このとき、2、3、4、6はすべて12の因数と呼ばれます。

因数の最も重要なポイントは、「積の形で表したときの要素」であるということです。割り算ではなく、掛け算の観点から考えることが大切です。

【因数の定義】

ある数や式を A × B の形で表したとき

A と B をその数や式の因数という

例:12 = 3 × 4 のとき、3と4は12の因数

例:6 = 2 × 3 のとき、2と3は6の因数

因数は整数だけでなく、文字式にも適用される概念です。例えば、x²という式は x × x という積の形で表せるため、xはx²の因数となります。また、2xyは 2 × x × y という積の形なので、2、x、yはすべて2xyの因数なのです。

さらに詳しく見ると、因数には1つの数や文字だけでなく、複数の要素をまとめたものも含まれます。例えば、12 = 2×6 のとき、2と6はどちらも因数ですが、12 = (2×2)×3 と考えれば、2×2全体も因数と見なすことができるでしょう。

元の数・式 積の形 因数
6 2 × 3 2、3
12 3 × 4 3、4
x × x x
6xy 6 × x × y 6、x、y

因数という概念は、因数分解という重要な計算手法の基礎となります。式を因数の積の形に変形することを「因数分解する」と言い、中学数学から高校数学まで頻繁に使われる技術なのです。

因数の理解は、数の性質を深く知るための第一歩となります。どんな数や式でも、積の形で表せば因数を見つけることができるという視点を持つことが重要でしょう。

因数と約数の違いと関係性

続いては因数と約数の違いと関係性を確認していきます。

約数の定義と基本的な意味

それではまず、約数の定義について解説していきます。

約数とは、ある整数をきれいに割り切ることができる整数のことです。例えば、12を割り切ることができる数は1、2、3、4、6、12であり、これらが12の約数となります。

約数は「割る」という観点から定義される概念です。12÷3=4のように余りなく割れるとき、3は12の約数と呼ばれるのです。この点が、積の形で考える因数とは異なるアプローチとなります。

【約数の定義】

整数Aを整数Bで割ったとき、余りなく割り切れるならば

Bは Aの約数である

例:12 ÷ 3 = 4(余りなし)だから、3は12の約数

例:12 ÷ 5 = 2 余り 2 だから、5は12の約数ではない

約数には必ず1とその数自身が含まれます。どんな整数も1で割り切れますし、自分自身で割れば商は1になるからです。12の約数を全て挙げると、1、2、3、4、6、12となるでしょう。

因数と約数の具体的な違い

次に、因数と約数の具体的な違いについて確認していきます。

因数と約数の最も大きな違いは、適用される対象と考え方にあります。約数は整数に対してのみ使われる概念ですが、因数は整数だけでなく文字式にも使われるのです。

比較項目 因数 約数
定義 積の形の各要素 割り切れる数
適用対象 数・文字式の両方 整数のみ
考え方 掛け算の観点 割り算の観点
例(12の場合) 12=3×4の3と4 12を割り切る1,2,3,4,6,12

整数の場合、因数と約数は実質的に同じものを指すことが多いでしょう。12=3×4のとき、3と4は因数ですが、同時に12の約数でもあります。しかし、文字式になると約数という概念は使えず、因数のみが使われるのです。

【整数における因数と約数の関係】

12 = 3 × 4

因数として:3と4

約数として:1、2、3、4、6、12

→ 3と4は因数であり、同時に約数でもある

整数の場合、積の形で表したときの要素(因数)は、必ずその数の約数になっています。逆に、約数は因数として使うことができます。

使い分けのポイント

最後に、因数と約数の使い分けについて見ていきましょう。

因数と約数を使い分けるポイントは、扱っているものが整数だけか、文字式も含むかという点です。また、問題が求めていることが「積の形」なのか「割り切れる数」なのかも判断基準となります。

【使い分けの基準】

約数を使う場面:整数のみを扱い、「割り切れる数」を求める問題

因数を使う場面:文字式を含む、または「積の形に分解」する問題

例:「12の約数をすべて求めよ」→ 約数を使う

例:「x² – 4を因数分解せよ」→ 因数を使う

因数分解という単元では、文字式を積の形に分解するため、「因数」という言葉が使われます。一方、最大公約数や最小公倍数を求める問題では、「約数」という言葉が使われるのです。

実際の問題では、問題文に「因数」または「約数」と明記されていることが多いため、その指示に従えば間違えることは少ないでしょう。ただし、概念の違いを理解しておくことで、より深い理解につながります。

共通因数と素因数の意味

続いては共通因数と素因数について確認していきます。

共通因数とは何か

それではまず、共通因数の意味について解説していきます。

共通因数とは、複数の数や式に共通して含まれる因数のことです。例えば、6と9を考えると、6=2×3、9=3×3と表せるため、3は両方に共通する因数となります。

【共通因数の例】

12 = 2 × 2 × 3

18 = 2 × 3 × 3

共通因数:2と3(両方に含まれる)

最大公約数:2 × 3 = 6(共通因数の積の最大値)

文字式における共通因数も重要です。例えば、2xと4x²を考えると、どちらも2とxを因数として持っているため、2xが共通因数となります。因数分解では、この共通因数をくくり出すという操作が基本となるのです。

【文字式の共通因数】

3x + 6x² を因数分解する

3x = 3 × x

6x² = 2 × 3 × x × x

共通因数:3とx、つまり3x

因数分解:3x(1 + 2x)

共通因数を見つけることは、因数分解の第一歩となります。式を簡単にしたり、計算を楽にしたりする上で非常に重要な技術でしょう。

素因数と素因数分解

次に、素因数と素因数分解について確認していきます。

素因数とは、素数である因数のことです。素数とは、1とその数自身以外に約数を持たない2以上の整数のことで、2、3、5、7、11などがこれに当たります。

素因数分解とは、ある数を素因数だけの積の形で表すことです。例えば、12を素因数分解すると、12 = 2 × 2 × 3 となります。このとき、2と3が12の素因数なのです。

素因数分解は、数を最も基本的な要素(素数)の積として表す方法です。どんな整数も、素因数分解すると唯一通りの形になります。

素因数分解 素因数
12 2² × 3 2、3
18 2 × 3² 2、3
30 2 × 3 × 5 2、3、5
24 2³ × 3 2、3

【素因数分解の手順】

60を素因数分解する例

60 ÷ 2 = 30

30 ÷ 2 = 15

15 ÷ 3 = 5

5 ÷ 5 = 1

よって、60 = 2 × 2 × 3 × 5 = 2² × 3 × 5

因数・共通因数・素因数の関係

最後に、これら3つの概念の関係について見ていきましょう。

因数は最も広い概念で、積の形で表したときの要素全てを指します。共通因数はその中で複数の数や式に共通するもの、素因数はさらにその中で素数であるものという関係になっているのです。

【3つの概念の関係】

12 = 2 × 2 × 3 の場合

因数:2、3、4、6など(積の形の要素)

素因数:2、3(素数である因数)

18 = 2 × 3 × 3 との共通因数:2、3、6(両方の因数)

概念 範囲 特徴
因数 最も広い 積の形の要素すべて
共通因数 中間 複数に共通する因数
素因数 限定的 素数である因数のみ

これらの概念を正確に理解することで、最大公約数や最小公倍数を求める問題、因数分解の問題など、様々な場面で適切に使い分けることができるようになるでしょう。

因数分解との関係と因数の見つけ方

続いては因数分解との関係と因数の見つけ方を確認していきます。

因数分解とは何か

それではまず、因数分解の意味について解説していきます。

因数分解とは、式を因数の積の形に変形することを指します。「分解」という言葉が示す通り、1つのまとまった式を、複数の因数の掛け算の形にばらすのです。

【因数分解の例】

x² + 5x + 6 を因数分解する

= (x + 2)(x + 3)

→ (x + 2) と (x + 3) が因数

2x + 6 を因数分解する

= 2(x + 3)

→ 2 と (x + 3) が因数

因数分解は、複雑な式を簡単な要素に分けることで、計算を楽にしたり、方程式を解きやすくしたりする重要な技術です。因数という概念を理解していないと、因数分解が何をしているのか理解できないでしょう。

因数分解の目的は、式を「因数」の積として表すことです。因数分解された形では、元の式の性質がより明確に見えてきます。

因数分解にはいくつかの基本的なパターンがあります。共通因数をくくり出す方法、乗法公式を逆に使う方法、たすきがけという方法などです。どの方法も、最終的には因数の積の形を作ることが目標となります。

因数の見つけ方と確認方法

次に、因数を実際に見つける方法について確認していきます。

整数の因数を見つけるには、その数を割り切ることができる数を探す方法が基本です。小さい数から順に試していくことで、すべての因数を見つけることができます。

【整数の因数の見つけ方】

24の因数を全て求める

24 = 1 × 24

24 = 2 × 12

24 = 3 × 8

24 = 4 × 6

因数:1、2、3、4、6、8、12、24

文字式の因数を見つけるには、共通部分を探すことがポイントです。係数の最大公約数や、共通する文字とその指数を確認していきます。

【文字式の因数の見つけ方】

6x²y + 9xy² の因数を見つける

6x²y = 2 × 3 × x × x × y

9xy² = 3 × 3 × x × y × y

共通因数:3、x、y → 3xy

因数分解:3xy(2x + 3y)

因数を正しく見つけられたか確認するには、積を展開して元の式に戻るかどうかをチェックします。展開した結果が元の式と一致すれば、因数分解が正しくできているということです。

因数を使った実際の問題

最後に、因数を使った実際の問題について見ていきましょう。

因数の概念は、方程式を解く、最大公約数を求める、式を簡単にするなど、様々な場面で活用されます。具体的な問題を通じて、因数の使い方を確認していきましょう。

【因数を使った方程式】

x² – 5x + 6 = 0 を解く

因数分解:(x – 2)(x – 3) = 0

積が0になるのは、どちらかの因数が0のとき

x – 2 = 0 または x – 3 = 0

x = 2 または x = 3

このように、因数分解することで方程式が解きやすくなります。因数という概念がなければ、この解法は理解できないでしょう。

問題の種類 因数の使い方 具体例
因数分解 式を因数の積に変形 x² + 3x = x(x + 3)
方程式 因数が0になる条件を探す (x – 1)(x + 2) = 0
最大公約数 共通因数を見つける 12と18の最大公約数は6
式の簡約 共通因数で約分 6x/2x = 3

【最大公約数を求める問題】

12と18の最大公約数を求める

12 = 2² × 3

18 = 2 × 3²

共通する素因数:2¹ × 3¹ = 6

答え:6

因数の概念を正確に理解し、使いこなせるようになることで、中学数学から高校数学まで、幅広い問題に対応できる力が身につきます。基礎をしっかり固めることが重要でしょう。

まとめ

因数とは、数や式を積の形で表したときの各要素のことです。12 = 3 × 4 のとき、3と4は12の因数となります。積の形という観点から考えることが因数理解の基本となるのです。

約数は整数を割り切ることができる数のことで、割り算の観点から定義されます。整数の場合、因数と約数は実質的に同じものを指すことが多いですが、因数は文字式にも適用できる点が大きな違いです。文字式を扱う因数分解では、因数という言葉が使われます。

共通因数は複数の数や式に共通して含まれる因数のことで、因数分解の基本となります。素因数は素数である因数のことで、素因数分解によって数を最も基本的な要素の積として表すことができるでしょう。

因数分解とは、式を因数の積の形に変形することです。因数の概念を理解していないと、因数分解が何をしているのか、なぜそれが重要なのかを理解できません。因数を見つける力、因数分解する力は、方程式を解く、式を簡約するなど、様々な場面で必要となります。

因数という基本概念をしっかりマスターすることで、中学数学の理解が大きく深まります。約数との違いを意識しながら、様々な問題を通じて因数の使い方を身につけていきましょう。