科学・計算関連

クーロンの法則の例題や練習問題は?計算の解き方も!(電荷量の求め方・合力・距離の変化・静電気力など)

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クーロンの法則を理解するには、実際の問題を解いて計算に慣れることが重要です。

基本的な2電荷間の力の計算から、複数の電荷による合力、距離や電荷量を求める逆算問題まで、様々なパターンがあります。

問題を解く際には、単位の統一、符号の判断、ベクトルの扱いなど、注意すべきポイントがいくつか存在するのです。

本記事では、クーロンの法則の典型的な例題と練習問題、計算手順、解き方のコツ、よくある間違いなどを詳しく解説いたしますので、ぜひ参考にしてくださいませ。

基本的な2電荷間の力の計算

それではまず最も基本的な問題から解説していきます。

2つの点電荷の間に働く力を求める問題です。

例題1:基本計算(同符号の電荷)

同じ符号を持つ電荷の間には、斥力が働きます。

力の大きさを計算し、向きを判断しましょう。

問題:+2.0×10⁻⁶ Cと+3.0×10⁻⁶ Cの電荷が0.10 m離れている。働く静電気力の大きさを求めよ。

解答

与えられた値

q₁ = +2.0×10⁻⁶ C

q₂ = +3.0×10⁻⁶ C

r = 0.10 m

k = 9.0×10⁹ N・m²/C²

F = k|q₁q₂|/r²

= 9.0×10⁹ × (2.0×10⁻⁶ × 3.0×10⁻⁶) / (0.10)²

= 9.0×10⁹ × 6.0×10⁻¹² / 0.01

= 5.4 N

同符号なので斥力(互いに反発)

計算では、指数の計算に注意しましょう。

例題2:基本計算(異符号の電荷)

異なる符号を持つ電荷の間には、引力が働きます。

符号が異なるだけで、計算手順は同じです。

問題:+4.0×10⁻⁸ Cと-6.0×10⁻⁸ Cの電荷が0.30 m離れている。働く静電気力の大きさを求めよ。

解答

q₁ = +4.0×10⁻⁸ C

q₂ = -6.0×10⁻⁸ C

r = 0.30 m

F = 9.0×10⁹ × |4.0×10⁻⁸ × (-6.0×10⁻⁸)| / (0.30)²

= 9.0×10⁹ × 24×10⁻¹⁶ / 0.09

= 9.0×10⁹ × 2.67×10⁻¹⁴

= 2.4×10⁻⁴ N

異符号なので引力(互いに引き合う)

絶対値記号により、力の大きさは常に正になります。

例題3:単位換算を含む問題

電荷量がμC(マイクロクーロン)、距離がcm(センチメートル)で与えられる場合、標準単位に変換します。

単位換算を忘れると、答えが大きく間違うため注意が必要です。

問題:+8.0μCと+12μCの電荷が20cm離れている。働く力は?

解答

まず単位を変換

q₁ = 8.0μC = 8.0×10⁻⁶ C

q₂ = 12μC = 12×10⁻⁶ C

r = 20cm = 0.20 m

F = 9.0×10⁹ × (8.0×10⁻⁶ × 12×10⁻⁶) / (0.20)²

= 9.0×10⁹ × 96×10⁻¹² / 0.04

= 21.6 N ≈ 22 N

μCとcmは頻出なので、変換に慣れておきましょう。

計算のコツ:指数の計算をまとめて行うと効率的です。例えば 9.0×10⁹ × 6.0×10⁻¹² = 54×10⁻³ = 5.4×10⁻² のように、係数と指数を別々に処理します。

距離の変化による力の変化

続いては距離が変化したときの力の変化について確認していきましょう。

逆2乗則を理解する上で重要な問題です。

例題4:距離を2倍にした場合

距離が2倍になると、力は1/4になります。

比例関係を使えば、簡単に計算できるでしょう。

問題:ある2つの電荷間に4.0Nの力が働いている。距離を2倍にすると力はいくらになるか。

解答

F ∝ 1/r² より

F₂/F₁ = (r₁/r₂)²

r₂ = 2r₁ なので

F₂/F₁ = (r₁/2r₁)² = (1/2)² = 1/4

F₂ = F₁ × 1/4 = 4.0 × 1/4 = 1.0 N

距離が2倍なら力は1/4、3倍なら1/9という関係を覚えておくと便利です。

例題5:力を一定に保つ条件

距離を変えても力を一定に保つには、電荷量をどう変えればよいかを考えます。

逆2乗則を逆向きに利用する問題です。

問題:2つの同じ電荷qの間に働く力をFとする。距離を3倍にしても同じ力Fを保つには、電荷をいくらにすればよいか。

解答

最初:F = kq²/r²

後:F = kq’²/(3r)²

両者が等しいので

kq²/r² = kq’²/9r²

q² = q’²/9

q’² = 9q²

q’ = 3q

電荷を3倍にすればよい

距離がn倍なら、電荷もn倍にすれば力は一定になります。

例題6:特定の力にするための距離

逆に、所望の力を得るために必要な距離を求める問題もあります。

公式を変形して、距離について解きましょう。

問題:+5.0×10⁻⁶ Cと+5.0×10⁻⁶ Cの電荷の間に1.0Nの力を作用させたい。距離をいくらにすればよいか。

解答

F = kq²/r² より

r² = kq²/F

r = √(kq²/F)

= √(9.0×10⁹ × (5.0×10⁻⁶)² / 1.0)

= √(9.0×10⁹ × 25×10⁻¹² / 1.0)

= √(225×10⁻³)

= 15×10⁻¹·⁵ = 0.47 m ≈ 0.47 m

平方根の計算では、電卓を使うか概算で求めます。

電荷量を求める逆算問題

続いては電荷量を求める問題について確認していきましょう。

力と距離から、電荷量を逆算します。

例題7:等しい電荷の大きさを求める

2つの電荷が等しい場合、1つの未知数として扱えます。

公式を変形して平方根を取りましょう。

問題:等しい正電荷2つが0.50m離れて置かれ、3.6Nの斥力が働いている。電荷の大きさを求めよ。

解答

q₁ = q₂ = q とすると

F = kq²/r²

q² = Fr²/k

= 3.6 × (0.50)² / (9.0×10⁹)

= 3.6 × 0.25 / (9.0×10⁹)

= 0.9 / (9.0×10⁹)

= 1.0×10⁻¹⁰

q = √(1.0×10⁻¹⁰) = 1.0×10⁻⁵ C = 10 μC

答えがμCのオーダーになることが多いです。

例題8:片方の電荷を求める

一方の電荷が既知で、もう一方を求める問題です。

この場合は平方根を取る必要がありません。

問題:+6.0×10⁻⁸ Cの電荷と未知の正電荷が0.20m離れており、2.7×10⁻⁴ Nの斥力が働いている。未知の電荷を求めよ。

解答

F = kq₁q₂/r² より

q₂ = Fr²/(kq₁)

= 2.7×10⁻⁴ × (0.20)² / (9.0×10⁹ × 6.0×10⁻⁸)

= 2.7×10⁻⁴ × 0.04 / (5.4×10²)

= 1.08×10⁻⁵ / 540

= 2.0×10⁻⁸ C = 20 nC

計算の順序を工夫すると、ミスが減ります。

例題9:電荷の比を求める

2つの状況を比較して、電荷の比を求める問題もあります。

比例関係を利用すると簡潔に解けるでしょう。

問題:電荷q₁とq₂が距離rで1.0Nの力。q₁と2q₂が距離2rで0.50Nの力。q₂/q₁を求めよ。

解答

最初:1.0 = kq₁q₂/r² …(1)

後:0.50 = kq₁(2q₂)/(2r)² = kq₁(2q₂)/4r² …(2)

(2)を整理すると

0.50 = kq₁q₂/(2r²)

(1)と比較して

0.50/1.0 = (kq₁q₂/r²) / (2kq₁q₂/r²)

1/2 = 1/2(確認)

この問題は条件が一致しているため、特別な情報は得られない

問題設定によっては、追加情報が必要な場合もあります。

複数電荷による合力の問題

続いては3つ以上の電荷がある場合について確認していきましょう。

重ね合わせの原理を使い、各力をベクトルとして足し合わせます。

例題10:一直線上の3電荷

3つの電荷が一直線上に並んでいる場合、力の向きに注意して計算します。

中央の電荷が受ける合力を求めましょう。

問題:+Q、-2Q、+Qの電荷が一直線上に等間隔d(各0.10m)で並んでいる。Q = 1.0×10⁻⁶ Cのとき、中央の-2Qが受ける合力を求めよ。

解答

左の+Qから受ける力(右向き・引力)

F₁ = k(Q)(2Q)/d² = 2kQ²/d²(右向き)

右の+Qから受ける力(左向き・引力)

F₂ = k(Q)(2Q)/d² = 2kQ²/d²(左向き)

大きさが等しく向きが逆なので

合力 = 0 N

対称な配置では、力が釣り合うことがよくあります。

例題11:直角に配置された電荷

電荷が直角に配置されている場合、ベクトルの成分分解が必要です。

x成分とy成分を別々に計算し、最後に合成しましょう。

問題:座標(0,0)に+q、(0.3m,0)に+q、(0,0.4m)に+2qがある。q=5.0×10⁻⁶ Cのとき、原点の電荷が受ける合力を求めよ。

解答

(0.3,0)の+qから受ける力

F₁ = kq²/(0.3)² = 9.0×10⁹×25×10⁻¹²/0.09 = 2.5 N(x軸負方向)

(0,0.4)の+2qから受ける力

F₂ = k×q×2q/(0.4)² = 2kq²/0.16 = 2×2.5×0.09/0.16 = 2.8 N(y軸負方向)

合力の大きさ F = √(F₁² + F₂²) = √(2.5² + 2.8²) ≈ 3.8 N

角度 tanθ = F₂/F₁ = 2.8/2.5 ≈ 1.12、θ ≈ 48°

三平方の定理を使って合力の大きさを求めます。

例題12:正三角形配置の電荷

正三角形の頂点に電荷が配置された問題も典型的です。

対称性を利用すると、計算が簡略化できるでしょう。

問題:1辺aの正三角形の各頂点に+qの電荷がある。1つの頂点の電荷が受ける合力を求めよ。

解答

他の2つの電荷から受ける力はそれぞれ

F = kq²/a²(大きさ)

2つの力の間の角度は60°

合力の大きさは

F合 = 2F cos30° = 2(kq²/a²) × (√3/2) = (√3)kq²/a²

向きは、他の2電荷の中点から離れる方向

対称性を見抜くことで、計算量を減らせます。

問題タイプ ポイント 注意点
基本計算 単位の統一 μC→C、cm→m
距離変化 逆2乗則 距離n倍→力1/n²倍
電荷逆算 公式の変形 平方根の計算
一直線配置 力の向き 引力・斥力の判断
平面配置 ベクトル分解 成分ごとに計算

よくある間違いと対策

続いてはよくある計算ミスとその対策について確認していきましょう。

典型的なミスを知ることで、正確な計算ができるようになります。

単位換算の忘れ

最も多いミスが、μCやcmをそのまま使ってしまうことです。

必ずCとmに変換してから計算しましょう。

誤った例

10μCと5cmをそのまま使う

→答えが10⁶倍ずれる!

正しい方法

10μC = 10×10⁻⁶ C

5cm = 0.05 m

に変換してから計算

問題文の単位を必ず確認する習慣をつけてください。

符号の扱いミス

電荷の符号を忘れたり、力の向きを間違えたりするミスも多いです。

計算後に、引力か斥力かを必ず確認しましょう。

力の大きさを計算する際は絶対値を使いますが、最後に符号の組み合わせから引力か斥力かを判断する必要があります。同符号なら斥力、異符号なら引力です。

ベクトルの合成ミス

複数の力を単純に足してしまうミスがあります。

力はベクトル量なので、向きを考慮して合成する必要があるのです。

誤った例

2Nの力と3Nの力の合力 = 5N

→向きを無視している

正しい方法

力の向きを確認

・同じ向きなら足す(5N)

・逆向きなら引く(1N)

・角度があればベクトル合成

図を描いて、力の向きを視覚化すると間違いが減ります。

まとめ

クーロンの法則の問題を解く際は、まず電荷量をクーロン(C)に、距離をメートル(m)に統一することが最も重要です。

基本的な2電荷間の力は F = kq₁q₂/r² で計算し、k = 9.0×10⁹ N・m²/C² を使い、同符号なら斥力、異符号なら引力と判断します。

距離の変化による力の変化は逆2乗則に従い、距離がn倍になれば力は1/n²倍になるという関係を利用すれば計算が簡単です。

電荷量を求める逆算問題では、公式を変形して q² = Fr²/k の形にし、平方根を取って電荷量を求めるでしょう。

複数の電荷がある場合は、重ね合わせの原理により各電荷からの力を個別に計算し、ベクトルとして合成する必要があります。

一直線上の配置では向きに注意し、平面配置ではx成分とy成分に分解してから合成することが重要です。

よくある間違いとして、単位換算の忘れ(μC→C、cm→m)、符号の扱いミス、ベクトルの単純加算などがあるため、計算後の確認を習慣づけることが正確な解答につながるでしょう。