「かしこまりました」の敬語(尊敬語・丁寧語・謙譲語)は?ビジネスメールでの使い方と例文も!言い換え表現も解説!
ビジネスメールや電話応対で頻繁に使われる「かしこまりました」は、相手の依頼や指示を受け入れたことを丁寧に伝える言葉です。
便利な表現である一方、敬語の種類や使う場面を曖昧にしたまま用いると、取引先や目上の方とのやり取りで不自然な印象につながることもあります。
「承知しました」との違いは何か、メールではどのように書けばよいか、さらに上司・顧客・社内の相手ごとにどう言い換えるべきかを知っておくと安心でしょう。
この記事では、「かしこまりました」の正しい意味、尊敬語・謙譲語・丁寧語との関係、ビジネスシーン別の例文を分かりやすく紹介します。
かしこまりましたの意味と敬語の位置付け

それではまず、かしこまりましたの意味と敬語としての位置付けについて解説していきます。
依頼や指示を理解して受ける返答
「かしこまりました」は、相手から受けた依頼、注文、指示、連絡内容などを理解し、引き受ける意思を示す表現です。
日常会話の「分かりました」よりも改まった言い方であり、接客業やビジネスの場面では特に広く使われています。
語源となる「かしこまる」には、恐れ入って慎む、命令や依頼をうやうやしく承るという意味があります。
そのため、単に内容を理解したという報告ではなく、相手の意向を丁重に受け止めた気持ちまで含めて伝えられる点が特徴です。
たとえば、取引先から資料の送付を依頼された場合、「資料を本日中にお送りください」と言われた際に「かしこまりました。本日中にメールにて送付いたします」と答えれば、了承と今後の行動を一度に伝えられます。
ただし、依頼内容を正確に理解できていない段階で使うと、誤解がそのまま進んでしまうおそれがあります。
期限、数量、送付先、担当者などを復唱して確認してから返答する姿勢が大切です。
電話での返答例
「来週火曜日までに見積書をご送付いただけますでしょうか」
「かしこまりました。来週火曜日の午前中までに、メールでお送りいたします」
丁寧語として使われる表現
「かしこまりました」は、一般的には丁寧語に分類される表現として扱われます。
「分かる」の丁寧な言い方ではなく、「かしこまる」という動詞に丁寧語の「ます」が付いた過去形です。
敬語には、相手を高める尊敬語、自分側をへりくだらせる謙譲語、言葉遣いを丁寧に整える丁寧語があります。
「かしこまりました」は、相手の行為そのものを高める語ではないため、尊敬語には該当しません。
また、自分を明確に低く位置付ける語形ではないため、厳密には謙譲語とも区別されます。
とはいえ、相手への敬意を十分に表せる丁重な応答であり、社外の顧客、取引先、役職者に対しても基本的に使用できます。
敬語を分類として覚えるだけでなく、相手との関係や状況に合うかどうかまで考えると、実務で迷いにくくなります。
| 区分 | 役割 | 代表的な表現 |
|---|---|---|
| 尊敬語 | 相手の行為や状態を高める | おっしゃる、ご覧になる、いらっしゃる |
| 謙譲語 | 自分側の行為をへりくだって述べる | 伺う、申し上げる、拝見する |
| 丁寧語 | 言葉全体を丁寧に整える | です、ます、ございます、かしこまりました |
承知しましたとのニュアンスの違い
「かしこまりました」と似た表現に、「承知しました」があります。
どちらも依頼や指示を受け入れる際に使えるため、実務上は置き換えても大きな問題にならない場面が多いでしょう。
一方で、「承知しました」は内容を理解したことに重心があり、「かしこまりました」は相手の申し付けを丁重に受ける響きが強めです。
接客、電話受付、予約対応、来客対応などでは、「かしこまりました」のほうが自然に聞こえることがあります。
社内メールや業務連絡では、「承知しました」も簡潔で使いやすい表現です。
相手が顧客であり、特に礼節を示したいときには「かしこまりました」を選ぶとよいでしょう。
「かしこまりました」は、内容を理解したうえで依頼を丁重に引き受ける返答です。
尊敬語ではなく丁寧語として扱われますが、社外の目上の相手にも使える十分に礼儀正しい表現です。
尊敬語・謙譲語・丁寧語との違い
続いては、尊敬語・謙譲語・丁寧語との違いを確認していきます。
尊敬語としての適切な考え方
尊敬語は、相手や第三者の動作、状態、所有物などを高めて表す敬語です。
たとえば「部長が来る」を「部長がいらっしゃる」と言い換える場合、行為者である部長への敬意が表れます。
「かしこまりました」は、話し手自身が返答するときの言葉です。
そのため、相手の動作を高める尊敬語とは役割が異なります。
「かしこまりましたは尊敬語ですか」と問われた場合は、厳密には違うと理解しておくとよいでしょう。
しかし、尊敬語ではないから失礼という意味ではありません。
敬語の種類と礼儀正しさは、必ずしも同じ基準ではないためです。
相手に敬意を持ち、場面に合った語を選べているかが、ビジネスコミュニケーションでは重要になります。
謙譲語との組み合わせ
謙譲語は、自分または自分側の人の行為を低く述べることで、相手への敬意を表す言葉です。
「訪問する」であれば「伺う」、「見る」であれば「拝見する」、「言う」であれば「申し上げる」が代表例です。
「かしこまりました」自体は謙譲語ではありませんが、謙譲語を含む文と組み合わせることで、より丁寧な返答になります。
たとえば「かしこまりました。明日、弊社担当者が伺います」では、「伺います」が謙譲語です。
「かしこまりました。確認のうえ、改めてご連絡申し上げます」という文でも、「申し上げます」によって自分側の行為を丁重に伝えられます。
敬語を組み合わせた例文
「かしこまりました。ご指定の日時に弊社より伺います」
「かしこまりました。内容を確認のうえ、担当者からご連絡申し上げます」
二重敬語や過剰表現への注意
丁寧に伝えようとするあまり、必要以上に敬語を重ねると、かえって不自然になることがあります。
たとえば「かしこまりましたでございます」は、丁寧語を重ねた不自然な表現です。
「かしこまりました」で十分に丁重なため、さらに語尾を足す必要はありません。
「かしこまりました。承知いたしました」と、同じ内容の返答を続けるのも冗長になりがちです。
相手に安心感を与えるためには、敬語を増やすより、具体的な対応内容を添えるほうが効果的でしょう。
「かしこまりました。修正版を本日十七時までに送付いたします」のように、期限と行動を明確に示す方法がおすすめです。
| 表現 | 評価 | 理由 |
|---|---|---|
| かしこまりました | 適切 | 丁寧で幅広い相手に使える |
| かしこまりましたでございます | 不自然 | 丁寧語を重ねている |
| かしこまりました。承知しました | 冗長 | 了承の意味が重複している |
| かしこまりました。確認いたします | 注意 | 確認後に可否を伝える場面なら適切 |
ビジネスメールでの使い方
続いては、ビジネスメールでの使い方を確認していきます。
依頼を受けた直後の返信
メールで依頼を受けたときは、まず受信したことと内容を理解したことを早めに伝えると、相手は安心できます。
この場面で「かしこまりました」は、短い返信でも誠実さを保ちやすい表現です。
ただし、一文だけで終えるよりも、いつまでに何をするのかを付け加えると、連絡の質が上がります。
「かしこまりました。ご依頼の資料は、明日中にお送りいたします」と書けば、対応予定が明確になります。
複数の依頼がある場合には、内容を箇条書きではなく文章で整理し、認識に違いがないかを示すとよいでしょう。
メールでは了承の言葉だけで終えず、次のアクションを添えることが実務上のポイントです。
メール例文
お世話になっております。
ご連絡いただいた修正依頼について、かしこまりました。
ご指定の箇所を確認し、明日十五時までに修正版をお送りいたします。
日程調整や会議参加の返信
会議の日程、打ち合わせの場所、オンライン会議の参加可否を伝える場面でも、「かしこまりました」は活用できます。
特に相手から日時が指定され、その内容に問題なく応じられる場合に適しています。
「九月十日水曜日の十四時より、かしこまりました。当日はよろしくお願いいたします」とするより、「九月十日水曜日十四時からの打ち合わせ、かしこまりました。当日はよろしくお願いいたします」と書くと自然です。
日時を本文に再記載することで、双方の認識違いを防げます。
オンライン会議なら、会議URLの確認や参加人数にも触れると親切でしょう。
一方、まだ予定を確認していない場合には、安易に「かしこまりました」と返してはいけません。
「スケジュールを確認のうえ、改めてご連絡いたします」と伝えるほうが正確です。
謝罪や変更連絡に添える方法
相手からの指摘、納期変更の要請、資料の差し替え依頼などに返信する際も、「かしこまりました」は役立ちます。
ただし、自社の不備によって相手に迷惑をかけた場合は、了承表現よりも先に謝罪を伝えることが必要です。
「ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。ご指摘の内容、かしこまりました。至急修正いたします」という順番なら、誠意が伝わりやすくなります。
相手の要望を受け入れるだけでなく、原因確認や再発防止に触れる場合は、断定できる内容だけを書きましょう。
対応できない事情があるときは、「かしこまりました」を使わず、代替案を具体的に示すことが大切です。
確認前、対応可否が未定、または条件の調整が必要な依頼には「かしこまりました」を使わないよう注意しましょう。
了承したと受け取られるため、後から断ると信頼を損ねる場合があります。
場面別の例文と自然な返答
続いては、場面別の例文と自然な返答を確認していきます。
取引先から資料送付を依頼された場面
取引先への返信では、敬意を保ちながら、送付物と期限を具体的に伝えることが求められます。
「かしこまりました。ご依頼の会社案内および料金表を、本日中にお送りいたします」とすれば、簡潔で分かりやすい文章になります。
資料の種類が複数あるときは、「会社案内、料金表、導入事例をお送りいたします」のように列挙すると確認しやすいでしょう。
添付ファイルの容量が大きい場合や、別送になる場合には、その事情もあらかじめ説明します。
「かしこまりました。資料はダウンロード用のURLにてご案内いたします」とすれば、相手が受け取り方を理解できます。
依頼内容を言い直して返すことは、聞き間違いと認識のずれを防ぐ実践的な方法です。
電話で注文や予約を受ける場面
店舗、受付、カスタマーサポートなどの電話応対では、「かしこまりました」が最も自然に使われる場面の一つです。
相手の希望を受けた後に、日時、人数、商品名、数量、連絡先を復唱します。
「十月三日金曜日、十八時から四名様でのご予約ですね。かしこまりました」と伝える流れが基本です。
復唱せずに返答すると、相手は内容が正しく伝わったか不安になることがあります。
受付担当者としては、返答そのものの丁寧さに加え、確認の正確さも大切な接客品質です。
| 場面 | 使いやすい例文 | 補足 |
|---|---|---|
| 予約受付 | かしこまりました。五月八日十八時から二名様で承ります | 日時と人数を復唱する |
| 注文受付 | かしこまりました。こちらの商品を三点ご用意いたします | 商品名と数量を確認する |
| 来客対応 | かしこまりました。担当者をお呼びいたします | 待ち時間の案内も添える |
| 問い合わせ対応 | かしこまりました。担当部署へ確認いたします | 回答時期を伝える |
上司や社内の関係者へ返す場面
上司に対しても「かしこまりました」は使えますが、職場の文化や普段の関係性によっては、やや硬く感じられることがあります。
社内の一般的な業務連絡では、「承知しました」や「承りました」がよく選ばれます。
役員や社外からの来客への対応を上司から依頼された場合には、「かしこまりました。私が対応いたします」と返しても不自然ではありません。
同僚や部下への返信で毎回「かしこまりました」を使うと、距離を感じさせる可能性があります。
社内では「了解しました」を使う場面もありますが、目上の方には避け、「承知しました」にすると無難です。
相手との上下関係だけでなく、組織内の慣習を見ながら使い分けることが望ましいでしょう。
かしこまりましたの言い換え表現
続いては、かしこまりましたの言い換え表現を確認していきます。
承知しましたと承りました
「承知しました」は、内容を理解して受け入れたことを伝える、もっとも一般的な言い換えです。
社内外を問わず使いやすく、メール、電話、対面のどの場面にもなじみます。
「承りました」は、「受ける」「聞く」「引き受ける」の謙譲語である「承る」を用いた表現です。
依頼や注文、伝言を受けたことを強調したい場合に向いています。
「ご依頼を承りました」「ご意見を承りました」のように、目的語を添える使い方も自然でしょう。
内容を理解したことなら承知しました、依頼などを受けたことなら承りましたと考えると、選びやすくなります。
| 言い換え表現 | 向いている場面 | 印象 |
|---|---|---|
| 承知しました | 社内外の幅広い連絡 | 標準的で簡潔 |
| 承りました | 注文、依頼、伝言の受付 | 受領の意味が明確 |
| 承知いたしました | 特に丁寧なメール | 改まった印象 |
| 承りましたので対応いたします | 対応予定を伝える場面 | 実務的で安心感がある |
確認いたしますと対応いたします
すぐに了承できない内容には、「確認いたします」や「対応いたします」が便利です。
たとえば、在庫、日程、契約条件、技術的な可否を確認する必要がある場合、「かしこまりました」と断言すると誤解を招くことがあります。
「お問い合わせの件、担当部署へ確認いたします」「内容を確認し、明日までにご返答いたします」と書けば、現時点での状況を正確に伝えられます。
対応することが確定している場合は、「ご指摘の内容を確認し、修正対応いたします」と表現できます。
このような言い換えは、相手の依頼を軽視せず、約束できる範囲を明確にするために有効です。
曖昧な返答を避けることが、長期的な信頼関係につながります。
「かしこまりました」は了承済みの意味を持ちます。
判断や確認が必要な場合は、「確認いたします」「検討のうえご連絡いたします」へ言い換え、事実に合う返答を選びましょう。
了解しましたと了承しましたの使い分け
「了解しました」は、内容を理解したという意味で日常的に使われます。
同僚や部下、親しい社内メンバーへの連絡では問題ない場合もありますが、取引先や上司には「承知しました」のほうが丁寧です。
「了承しました」は、事情や条件を納得して受け入れたという意味を持ちます。
許可を与える側、または合意する側の立場で使うニュアンスがあり、相手から受けた依頼に対して使うと違和感が出る場合があります。
たとえば、上司から指示を受けて「了承しました」と答えると、対等または上位の立場から許可したように聞こえることがあるため注意が必要です。
ビジネスメールで迷ったときは、「承知しました」または「かしこまりました」を選ぶと安全でしょう。
了解しましたは相手を選び、了承しましたは立場を選ぶ表現と覚えておくと役立ちます。
失礼にならないための注意点
続いては、失礼にならないための注意点を確認していきます。
目上の人に了解しましたを使わない配慮
「了解しました」は誤りではありませんが、目上の人や顧客に対しては、丁寧さが足りないと受け取られることがあります。
社内で普段から使われている場合でも、重要な依頼、謝罪を伴う連絡、初めての取引先へのメールでは避けたほうが安心です。
代わりに「承知しました」「かしこまりました」「承りました」を使うと、相手との関係を問わず礼儀を保ちやすくなります。
敬語は正誤だけではなく、受け手がどう感じるかも大切です。
迷う場合には、少し丁寧な表現を選ぶ姿勢がビジネスでは役立つでしょう。
依頼内容を復唱して誤解を防ぐ工夫
「かしこまりました」だけでは、何について了承したのかが後から確認しにくくなります。
特に電話、短文チャット、複数人が関わるメールでは、依頼の要点を文章に残すことが重要です。
納期、数量、金額、宛先、担当者といった情報は、返答の中で再確認しましょう。
「かしこまりました。修正版は九月十二日までに、田中様宛てに送付いたします」と書けば、相手はすぐに認識を確認できます。
丁寧な返答とは、敬語だけでなく情報が正確であることも含みます。
対応の優先順位や期限が不明確な場合には、返答前に確認することが誠実な対応です。
相手と媒体に合わせた言葉選び
同じ内容でも、メール、電話、対面、社内チャットでは、適した言葉の温度感が変わります。
電話や接客では「かしこまりました」が柔らかく丁寧に響きます。
メールでは「承知いたしました」や「かしこまりました。対応いたします」のように、後続の文章と組み合わせると安定します。
社内チャットで急ぎの連絡を受けた場合は、「承知しました。確認します」と簡潔に返すほうが、スピード感に合うこともあるでしょう。
相手との関係、連絡の緊急度、求められる正式さを考え、言葉を選ぶことが大切です。
一つの敬語だけに頼らず、状況に応じて言い換える力が、円滑なビジネスコミュニケーションを支えます。
まとめ
「かしこまりました」は、相手の依頼や指示を理解し、丁重に受け入れる意思を伝える丁寧語です。
尊敬語や謙譲語そのものではありませんが、取引先、顧客、上司などに対しても使える礼儀正しい表現です。
メールでは、了承の言葉に加えて、対応内容や期限を記載すると、相手に安心感を与えられます。
確認が必要な場合には「確認いたします」、社内外で幅広く使うなら「承知しました」、依頼や注文を受けたことを強調するなら「承りました」など、場面に合わせて使い分けましょう。
敬語の形だけを整えるのではなく、相手の依頼を正しく理解し、具体的な行動を伝えることが大切です。