図形の学習において、三角形や四角形は身近な存在ですが、五角形についても正しく理解しておくことが重要です。
五角形とは、5つの辺と5つの頂点を持つ多角形のことを指します。
シンプルな定義ですが、五角形にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる性質を持っているのです。
正五角形のようにすべての辺と角が等しいものもあれば、不規則な形の五角形も存在します。
また、凸五角形と凹五角形という分類もあり、形状によって性質が変わるでしょう。
本記事では、五角形の正確な定義、多角形としての位置づけ、様々な種類と性質について詳しく解説していきます。
五角形の基本的な特徴を理解することで、幾何学への理解が深まります。
五角形の定義と基本
それではまず、五角形の定義と基本的な性質について解説していきます。
図形を正確に理解するためには、まず定義を明確にすることが重要です。
五角形がどのような図形なのか、基礎から確認していきましょう。
五角形の定義
五角形の定義は非常にシンプルです。
5本の線分で囲まれた平面図形、これが五角形の基本的な定義となります。
別の言い方をすれば、5つの頂点と5つの辺を持つ多角形です。
英語ではpentagon(ペンタゴン)と呼ばれ、ギリシャ語の「penta(5)」と「gon(角)」に由来しているのです。
五角形の定義
・5本の線分(辺)で囲まれた平面図形
・5つの頂点を持つ
・5つの内角を持つ
・多角形の一種
五角形は閉じた図形であり、始点と終点が同じ点で繋がっています。
多角形としての五角形
五角形は、多角形(polygon)というより大きなカテゴリーに属します。
多角形とは、3本以上の線分で囲まれた平面図形の総称です。
三角形(3辺)、四角形(4辺)、五角形(5辺)、六角形(6辺)と、辺の数によって分類されます。
一般に、n本の辺を持つ多角形を「n角形」と呼ぶのです。
| 多角形 | 辺の数 | 頂点の数 | 英語名 |
|---|---|---|---|
| 三角形 | 3 | 3 | triangle |
| 四角形 | 4 | 4 | quadrilateral |
| 五角形 | 5 | 5 | pentagon |
| 六角形 | 6 | 6 | hexagon |
| 八角形 | 8 | 8 | octagon |
五角形は、多角形の中でも比較的シンプルな部類に入るでしょう。
五角形の構成要素
五角形を構成する要素を詳しく見ていきましょう。
まず、辺(side)が5本あります。
辺とは、隣り合う2つの頂点を結ぶ線分のことです。
次に、頂点(vertex)が5つあります。
頂点とは、2つの辺が交わる点のことを指すのです。
さらに、内角(interior angle)が5つあります。
内角とは、隣り合う2つの辺が作る角のうち、図形の内側にある角のことでしょう。
【五角形の構成要素】
辺:5本(隣り合う頂点を結ぶ線分)
頂点:5個(辺と辺が交わる点)
内角:5個(図形の内側の角)
外角:5個(図形の外側の角)
対角線:5本(隣り合わない頂点を結ぶ線分)
これらの要素が組み合わさって、五角形という図形が形成されるのです。
五角形の種類
続いては、五角形の様々な種類について確認していきます。
一口に五角形と言っても、その形状や性質によっていくつかの分類があります。
それぞれの特徴を理解しましょう。
正五角形と不等辺五角形
五角形の最も基本的な分類は、正五角形と不等辺五角形です。
正五角形(regular pentagon)とは、5つの辺がすべて等しく、5つの内角もすべて等しい五角形を指します。
正五角形の1つの内角は108度、1つの外角は72度です。
対称性が高く、美しい幾何学的図形として知られているでしょう。
一方、不等辺五角形(irregular pentagon)は、辺の長さや角度がバラバラな五角形です。
形状は様々ですが、5つの辺と5つの頂点を持つという基本条件は満たしています。
正五角形の特徴
・すべての辺の長さが等しい
・すべての内角が等しい(各108度)
・高い対称性を持つ
・内角の和は540度
凸五角形と凹五角形
五角形は、形状によって凸五角形と凹五角形に分類されます。
凸五角形(convex pentagon)は、すべての内角が180度未満の五角形です。
どの2つの頂点を結んでも、その線分が図形の外に出ることはありません。
私たちが通常イメージする五角形は、ほとんどが凸五角形でしょう。
凹五角形(concave pentagon)は、1つ以上の内角が180度を超える五角形です。
図形の一部が内側に凹んでいるような形状になります。
星型五角形も、広い意味では凹五角形の一種と言えるのです。
【凸五角形と凹五角形の違い】
凸五角形
・すべての内角が180度未満
・どの対角線も図形の内部にある
・一般的な五角形のイメージ
凹五角形
・1つ以上の内角が180度を超える
・一部の対角線が図形の外部に出る
・凹んだ部分がある
星型五角形(五芒星)
特殊な五角形として、星型五角形があります。
五芒星(ごぼうせい)やペンタグラム(pentagram)とも呼ばれるのです。
正五角形の各頂点を1つおきに直線で結ぶと、星型五角形ができあがります。
この図形は古くから魔除けやシンボルとして使われてきました。
星型五角形の5つの尖った角度は、それぞれ36度です。
内角の和は180度となり、通常の五角形(540度)とは大きく異なるでしょう。
【星型五角形の特徴】
・正五角形から作られる
・5つの尖った頂点を持つ
・各頂点の角度は36度
・内角の和は180度
・対角線と辺の比が黄金比
星型五角形には、黄金比という美しい比率が隠されているのです。
五角形の基本的な性質
続いては、五角形が持つ基本的な性質について確認していきます。
どんな五角形にも共通する性質と、特定の種類にのみ当てはまる性質があります。
これらを理解することで、五角形への理解が深まるでしょう。
内角の和と外角の和
すべての五角形に共通する重要な性質が、内角の和です。
五角形の内角の和は、常に540度となります。
これは、正五角形でも不等辺五角形でも変わりません。
n角形の内角の和の公式180度×(n−2)にn=5を代入すると、180度×3=540度が得られるのです。
また、五角形の外角の和は360度です。
外角の和は、すべての多角形で共通して360度になるという性質があります。
五角形の角度の性質
内角の和:540度(どんな五角形でも同じ)
外角の和:360度(すべての多角形で同じ)
正五角形の1つの内角:108度
正五角形の1つの外角:72度
対角線の本数
五角形には、5本の対角線があります。
対角線とは、隣り合わない2つの頂点を結ぶ線分のことです。
n角形の対角線の本数は、n×(n−3)÷2で求められます。
五角形の場合、5×(5−3)÷2=5×2÷2=5本となるのです。
すべての対角線を引くと、五角形の内部に美しいパターンが現れます。
正五角形の場合、対角線と辺の長さの比が黄金比になるという特別な性質があるでしょう。
面積と周の長さ
五角形の面積や周の長さの求め方は、種類によって異なります。
正五角形の場合、辺の長さをaとすると、面積は約1.720×a²で求められるのです。
周の長さは、単純に5×aとなります。
不等辺五角形の場合、面積は三角形に分割して求めるのが一般的でしょう。
周の長さは、5つの辺の長さをすべて足し合わせれば得られます。
【正五角形の公式】
周の長さ:5a(aは1辺の長さ)
面積:約1.720×a²
対角線の長さ:約1.618×a(黄金比)
五角形の実例と応用
続いては、五角形が実際にどのような場面で使われているかを確認していきます。
幾何学的な図形は、単なる抽象的な概念ではありません。
実生活の中で、五角形は様々な形で登場するのです。
自然界の五角形
自然界にも、五角形の形をしたものが多く存在します。
最も有名なのは、ヒトデでしょう。
多くのヒトデは5本の腕を持ち、五角形に近い形状をしています。
また、一部の花も5枚の花弁を持ち、正五角形に近い配置になっているのです。
桜、梅、バラなどの花を観察すると、五角形のパターンが見られます。
リンゴやナシを横に切ると、種の配置が五角形状になっていることもあるでしょう。
【自然界の五角形】
・ヒトデの体の形状
・5枚花弁の花(桜、梅、バラなど)
・リンゴやナシの断面の種の配置
・一部の結晶構造
建築物と五角形
建築の分野でも、五角形は重要な役割を果たしています。
最も有名なのは、アメリカ国防総省のペンタゴンでしょう。
この建物は正五角形の平面図を持ち、その形状から「The Pentagon」と呼ばれるようになりました。
世界最大級のオフィスビルとして知られているのです。
また、サッカーボールの表面は、正五角形と正六角形の組み合わせでできています。
12個の正五角形と20個の正六角形が縫い合わされて、球体に近い形を作っているのです。
デザインとシンボル
五角形は、デザインやシンボルとしても広く使われています。
五芒星(星型五角形)は、古くから魔除けや護符として用いられてきました。
現代でも、国旗や紋章、ロゴマークなどに五角形や五芒星が使われることがあるのです。
アメリカの国旗に描かれた星も、五芒星の形をしています。
また、レーダーチャート(五角形グラフ)は、データ可視化の分野で重要なツールでしょう。
【五角形の応用例】
・ペンタゴン(米国防総省)
・サッカーボールの表面
・国旗や紋章の星
・レーダーチャート
・ゲームやパズルのデザイン
五角形の持つ対称性や美しさが、様々な分野で活用されているのです。
まとめ
五角形とは、5つの辺と5つの頂点を持つ多角形のことです。
英語ではpentagon(ペンタゴン)と呼ばれ、ギリシャ語の「5つの角」という意味に由来します。
五角形には、すべての辺と角が等しい正五角形と、不規則な形の不等辺五角形があるのです。
また、形状によって凸五角形と凹五角形に分類され、特殊な形として星型五角形(五芒星)も存在します。
すべての五角形に共通する性質として、内角の和が540度、外角の和が360度、対角線が5本という特徴があるでしょう。
正五角形の1つの内角は108度で、対角線と辺の比が黄金比になるという美しい性質を持っています。
自然界ではヒトデや花の形に、建築ではペンタゴンやサッカーボールに、五角形が使われているのです。
五角形の定義と性質を理解することで、幾何学への理解が深まり、実生活での観察力も高まります。